9.01.2008

心の準備をして、いざ職場体験!

 今年度も市内の中学校では、全中学校で職場体験学習を実施しています。
 既に10校中6校が終了しており、残りの学校も11月までに終了します。今週は、5日間連続職場体験を先進的に取り入れた飯田西中学校の『西中チャレンジウィーク』が実施されるなど、いよいよ佳境に入ってきた感じです。

 さて市内の多くの中学校では、キャリア教育の一環として職場体験学習の前に外部講師による「ガイダンス」を行なっています。このガイダンスのねらいは、将来生徒自身が何らかの仕事に就いて「働く」ということを意識させ、今の日々の生活や勉強が将来につながっていることを理解させることにあります。同時に、目前に迫る職場体験学習にどのような心構えで臨んだらいいのかという意識付けも目的としています。

 「仕事って、お金を稼ぐために嫌でもやらなきゃいけないものなんだ。」
 「楽しくて、苦労が少なくて、沢山設けられる仕事に就けたら幸せだろうな。」
 そう思っている子どもたちも少なくないでしょう。
 外部講師の方々は、それぞれの体験談を通じていろいろな話をしてくださいます。

 「夢や目標を持つことはとても大切。それに向かってがむしゃらに努力することは、かけがえのない財産になります。」

 「現実は厳しい。自分が本当に就きたい職業に就ける人なんてそんなに沢山はいません。いろいろな運命の中でやむを得ず就いた職業でも、「そこでどう働くか」が大切ですね。気持ちの持ち方や取り組み方次第で、その仕事がとてつもなく楽しくなるものです。」

 「仕事は、お金を稼ぐために仕方なくやるものじゃ、自分にとって何にも残らないしつまらない。働くことが自分に与えてくれるものは、お金だけじゃありません。」

 「自分が持っている個性や能力を発揮して仕事をやり遂げたときには、周囲から認められます。認められることによって、自分の存在価値を感じることができるのです。そしてそれが意欲へとつながり、また努力をして成果を出します。仕事とは、まさに自分を育ててくれるステージなんです。」

 こうしたお話から、多くの生徒たちは「自分の夢ってなんだろう?本当にやりたいことってなんだろう?」と自問自答することでしょう。

 また、職場体験学習の直前になると、仕事をする上での心構えやビジネスマナーに関するガイダンスを行ないます。

 「社会人は、みんな「会社」の看板を背負って働いています。例えば、営業先でたった一人の営業マンの態度が悪かっただけでも、会社全体のイメージが悪く捉えられてしまいます。」

 「社会は、いろいろな人や会社が信頼関係で結ばれているものですから、信頼関係が崩れたら仕事をしていくことができません。だから、礼儀や身だしなみなど相手に与える印象はとても大切なのです。」

 「人の他人に対するイメージというのは、第一印象で92%が決まるといわれている。残り8%が話をしたり、お付き合いをしていく中で形成されていくものであるといわれており、特に第一印象というのは非常に大切なものです。」
 同級生や先輩、後輩、そして先生といった同じメンバーが毎日顔を合わせる学校。そんな中で生活している子どもたちにとっては、身の引き締まるお話ではないでしょうか。

 このようにして生徒たちは、「心の準備」をして、家族や学校から離れた未知の世界に飛び込んでいきます。
 しかし、一度や二度講話を聴いたからといって、そう変われるものではないのも事実です。だからこそ受入れてくださる職場の皆さんに実際に働く姿を見せていただき、具体的に話をしたり助言していただくことによって、「仕事の厳しさ」「楽しさ」「人とのつながり方」などを“生きた学習”として子どもたちに伝えていただきたいのです。自分の知らない大人からの真剣な指導・メッセージは、家庭と学校しか知らない中学生を教育し、変化成長させてくれると思います。

 職場体験学習を通じて、事業所の皆さんが地域の子どもたちを教え育てていただいていることは、まさに「地育力」の原動力といえます。日々のお忙しい中で、子どもたちのために時間を割いていただいていることに感謝しつつ、これからも更に積極的な受入れをお願いしたいと思います。

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