4.28.2008

第31回いいだ子どもまつりが賑やかに開催されました!

 4月21日(日)に第31回いいだ子どもまつりが開催されました。前日までのぐずついた天気がうそのように晴天となり、気持ちのよい青空の下、会場となった四季の広場にはたくさんの子どもたちが集まりました。

 実行委員会のスタッフが準備した手作りのコーナーで、子どもたちはゲームやスポーツ、工作、紙芝居などを思い思いに楽しみました。

 竹遊びのコーナーでは、少し慣れない手つきでナイフを手に悪戦苦闘し、弓矢や竹とんぼなどを作りました。難しいところはお父さんやお母さん、スタッフに手伝ってもらいました。母親と参加した女子児童は「竹が思ったより堅くて、弓に糸を張るのに力がいって大変だった」と話していました。みんな出来上がった作品を満足げに友達と見せ合っていました。

 「カンカンかじや」へ参加するのが今年で3年目と言う男子児童R君は、炭火で熱した釘を器用にトンカチでつぶし、ペーパーナイフを作っていました。そのR君に誘われて初めて参加したという友達は、「R君みたいにはまだうまく出来ないなぁ」と話しながら、一生懸命釘をたたいていました。

 「ひとくちベーカリー」のコーナーでは、暖かい陽気を生かし自然発酵させたパン生地を、細い竹の先にくるくると巻きつけて炭火で焼き、焼き上がりをじっと待ちました。周りにはパンの焼ける香ばしい匂いが立ち込め、くるくるとかわいらしい形に焼きあがった熱々のパンを「美味しい」といってほおばっていました。
 今年で2年目となった「海外の遊び」のコーナーでは、ブラジル人スタッフが「ドミノ」という、サイコロの目のボードをつなぎ合わせる遊びを披露していました。

 ほかにもウォークラリーやニュースポーツ、けん玉などたくさんのコーナーが参加し、子どもたちは体を思いっきり動かし、目を輝かせて楽しんでいました。ボランティアとして参加した下伊那農業高校の生徒や飯田女子短期大学の学生も、みんな子どもたちとの触れ合いで充実感を味わっていた様子でした。

4.03.2008

手仕事の達人にいざ、弟子入り! ~こだわりの技、親子で体験しました~ ③

提灯作り体験講座
 こちらは地育力ブログ編集スタッフが、満を持しての弟子入り。半日間、職人の心に触れて参りました。

 講師は大正6年から続く提灯屋、綿屋さんの3代目御主人、原章二さんと奥さんの久美子さんです。工房に入ると、そこには大小様々な形の提灯の型が並び、和紙や澱粉のり、墨の交じり合った不思議な香り。一気にタイムスリップした気分です。

 職人さんの手ほどきで作らせていただいたのは、昔の人々が懐中電灯代わりに夜ぶら下げて歩いたというぶら提灯。聞けば昔は雑貨屋に様々な言葉を書いたぶら提灯が売られていて、大変な人気だったのだそうです。

 提灯作りの手順をご紹介します。
① 木型にひごをらせん状に巻いていく。
② 上下に曲げ輪をはめ、木綿の糸を①で巻いたひごにくくりつけていく。
③ ②でできた骨組みを台に固定し、澱粉のりをつけて和紙を張っていく。
④ 張った和紙ののりが乾いたら、型紙を裏に当てて、好きな言葉を写し取る。

 素人弟子はまごついてばかりですが、それでも、本物の品々に囲まれ、ひたすら手作業に打ち込む半日間は、実に気持ちの良い充実した時間となりました。出来上がったぶら提灯を手にちょいとそこらに夜の散歩に出かけたくなり、思わず、いにしえの人々の暮らしに思いを馳せます。

 材料の一つ一つ、道具の一つ一つにこだわり、完全手作業で毎日提灯を作り続けている若主人原さん。特に譲れないのは和紙の質だと言います。雪にさらして紙を白くする伝統技法を用いる岐阜高山の和紙職人さんから、毎年1年分を仕入れてくるんだとか。触らせていただくと、その薄さと強さに驚き、そしてほのかな明かりをかもし出す柔らかい紙の色合いに魅せられます。使用するのりは添加物の全くない澱粉のり。自宅で粉から煮詰め、作る提灯の種類や季節によって、勘で濃さを調節します。

 こんなこだわりだらけの手作り提灯、今はもうあまり使われていないと思っていませんか? 実は飯田市内のお宮のお祭りで使われる提灯の多くを原さん一家が手がけています。新盆の提灯も毎年多くの注文を受けるそうです。飲み屋の赤提灯だって現役です。こちらを目にされているかたのほうが多いかもしれませんね。

 3回にわたって紹介してきました職人講座、いかがでしたか?
 来年も体験する機会があると思います。是非「弟子入り」してみませんか?

4.01.2008

手仕事の達人にいざ、弟子入り! ~こだわりの技、親子で体験しました~ ②

座布団作り体験講座

 昔はどの家庭でも綿を入れた布団を作って使っていました。いまや化繊の布団が主流で、自宅で作るどころか、本格的に布団を作るプロの職人さんも減ってしまいました。しかし、飯田にはまだいるんです、こだわりの職人さん。先代から引き継いだ技を守り続け35年の松沢登喜子さん。本物の自然素材と睡眠に対する強い思いを持って日々布団を作られています。

 そんな講師のもとで、今回5組の参加者は座布団作りを体験させていただきました。
 第1回は裂き織りと同様「お話を聞く会」。松沢さんの働く金山ふとん店に参加者が集い、松沢さんのプロフィールや素材に対する思い、そして睡眠改善インストラクターの金山さんより、人生の3分の1を占める睡眠と、その睡眠をより快適にするための布団のお話を聞きました。綿や羽毛、駱駝の毛など布団の材料となるものを実際に触らせていただき、皆感激。後半は松沢さんに実際座布団をつくる様子を見せていただきました。あれよあれよという間に魔法のように綿が重ねられ、折りたたまれ、10分足らずで袋にスッポリ収まってしまいました。え?もしかして簡単?いえいえ素人はそういうわけにはいきません。

 第2回は東野公民館にて。親子で綿との格闘が始まりました。四苦八苦しながら、綿を切り、重ね、また切り、また重ね、を繰り返すこと数回。やっと手元の綿の山が重ね終わると、今度は四隅の角を作り、形を整えます。これがなかなか難しい。なかなか思うような形になってくれません。袋生地に何とか入れ終わった頃には2時間以上経っていたでしょうか。最後に袋を閉じて縫い付け、座布団の真ん中におへそを作ってやっと出来上がりです。格闘を終え、参加者の誰もが初めて触れる天然綿のふわふわの座布団の感触と、自分で作り上げた達成感に浸り、あらためて職人・松沢さんの技術に感服したのでした。
感想の一部です。

● 布団のことだけでなく、綿のことや睡眠のことなどたくさんの知識を教えてくれたので、とてもよかったです。松沢さんが10分足らずで座布団を作っていたことに驚きました。(小6女の子)
● 座布団に使う綿はさわったことがなかったけど、とても気持ちよかったです。綿をカバーに入れる時とカバーをぬう時が難しかったです。座布団は勉強机のいすに使っています。(小6女の子)
● My座布団になりました!!毎日使ってます。(中1女の子)
● おもしろかった。わたがふかふかしていてよかったです。(小4男の子)
● 完成させるのに必死でした。(お母さん)
● 本物の座布団は材料から違うし、1枚仕上げるにも何時間もかかるんですね。でも30年も使えると聞き、またびっくりしました。そのようなお仕事をされている方々に感謝の気持ちを忘れないよう、使う私たちも生活していきたいです。(お母さん)
● 「ふとん」の奥深さを感じました。子どもが楽しそうにやっていました。(お母さん)
● これからも「本物」を伝えていってください。(お母さん)
● 毎日なにげなく使っている布団をもう一度見直す機会になりました。何か生きるパワーをもらった気がしました。この出会いがまたどこかでつながって、人と人との輪が広がっていくように思いました。(お母さん)

 次回は、「提灯作り体験講座」を紹介します。