11.25.2008

自立した子ども・自分で考える子どもを育てるには・・・(鼎中学校職場体験学習)

 まっ青な秋晴れの空の下、鼎上山にある『親子学舎 ビバ・チャイルド』の園庭では1才~6才の14名の子どもたちが、集団遊び“ネコとネズミ”の真っ最中。
 「ニャーオ!」の鳴き声を合図に、逃げるネズミのしっぽをネコが取りにダッシュ!!
 鼎中学2年のR君は、逃げ遅れそうになる1才男児の手を引いて一緒に逃げます。ネコチーム、ネズミチームそれぞれが集まって作戦タイム。Sさんも子どもたちと額を寄せて相談!相談!
 ひとしきり遊んだ後、“お店やさんごっこ”の商品作りに移動する子、外で一輪車や逆上がりにチャレンジする子、砂やトイカーで遊ぶ子、と思い思いに分かれます。
 翌週の参観日に予定されている“お店やさんごっこ”
 お客さんになるお母さんやお家の方は、家でお金と財布を作って楽しみにしてくれています。もちろんエコバック持参です。
 少しずつ作り貯めた商品が並ぶ棚には、クッション材や折り紙を使って作ったおいしそうなエビや海苔巻きの寿司、牛乳パックで工夫したスクリュー付きの船などなど。山羊の絵を一生懸命塗っている女の子に「何になるのかな?」と聞くと、おもちゃ屋さんの指人形だそうです。『3匹のやぎのがらがらどん』をするにはトロルが必要。さて誰に下絵を書いてもらおうか…。子どもたちから要請を受けたのはR君。絵本を見ながら上手に書いてくれます。迫力ある指人形になりそうです。
 お昼は、みんなで輪になって正座でいただきます。「どうぞ!」と子どもたちが、他の子やSさん、R君も座れるように寄ってくれます。お母さん手作りのお弁当をいただく中で、病院に付き添うお母さんの留守中、自分でご飯を炊きお父さんがおかずを作るという年長男児の姿。
 “子どもが好きで保育士になりたい”と希望のあるR君とSさん。「子どもと遊ぶ時が楽しい!」「笑っている時うれしい!」「オムツ替えが大変でした。」という2人。3日間の体験を通して『ビバ・チャイルドの基本理念』を2人はどう肌で感じ取ってくれるのでしょうか。


『ビバ・チャイルドの基本理念』
【個育(こそだて)】自立に向けての土台つくり
【共育(ともそだち)】共に考え、創り、育ち合う
【豊育(ほいく)】生きた体験で、感受性を豊かに
【食育(しょくいく)】食を通して“こころ”と“からだ”を育む

11.21.2008

飯田でも珍しい「ちょうちん屋さん」(鼎中学校職場体験学習)

 今回から、11月11日から3日間にわたって実施された鼎中学校2年生の職場体験学習の様子を、数回にわたって紹介します。


 「ちょうちん屋さんは珍しいから職場体験に選んだ」Y君。
 「お兄さんも、ちょうちん作り体験をした事がある。」というS君。
 野球部と剣道部に所属する2人が、11月11日から3日間『綿屋提灯店』さんで職場体験を行いました。

 午前中は、3代目の原章二さんがひごを巻いたちょうちんに、「糸かけ」をするお手伝い。細かい作業でなかなか大変だったようですが、原さん曰く「2人とものみ込みが早いよ!」との事でした。ご自身もバスケットボールに打ち込まれた経験から「やっぱり運動をしているから違うんじゃないかな!」
 午後からは、「張り替え」をするちょうちんの輪をはずす作業を、奥さんの久美子さんのご指導のもと、2人並んで行います。
 ちょうちんの輪はとても貴重で、古い物になると今では作れる人がいないほど、できのいい物が多いそうです。今でいう“リフォーム”を、ちょうちん屋さんは昔から当たり前に行ってきたそうですが、今は“張り替え”をするちょうちん屋さんは少ないとか…。

A君「あれ!ここ取れちゃったけど…。」
Y君「僕もさっきそうだったよ。」
久美子さん「大丈夫!大丈夫!これは高張提灯というんだよ。」

 要所要所でちょうちんの説明を受けながら作業を進めます。
 「2人とも手早いんだよね!」と久美子さんからお褒めの言葉。
 「原さんがやさしくおしえてくれた!」と2人はうれしそうです。
 店内の空気は穏やかで、時間に急かされることもなく、それぞれのペースで流れます。
 同級生の2人も、体験1日目とは思えない程リラックスし、楽しげに作業をしていました。
 輪をはずしていたのは、『今宮』のちょうちん。Y君がつぶやきます。「お宮でもしかしたら僕が手伝ったちょうちんがあるかも…。」
 今まで何気なく見ていたちょうちん。これからは、それを作った職人さんの事、材料の事、作業工程の事を思い、また違った目で見ることでしょう。