7.30.2008

合庁食堂の葵(あおい)さんにお邪魔しました。(緑中職場体験)

 7月29日。この日も30℃を超える暑い日に、地育力スタッフが選んだ昼食場所は、飯田合同庁舎1Fにある食堂、「葵(あおい)」さんです。
 目的はもちろん「昼食」です・・・が、実は緑ヶ丘中学校の2年生が職場体験学習で昨日から3日間お世話になっていることを聞き、その取材も兼ねてお伺いしました。

 到着したのは12:45。合同庁舎の職員の皆さんの食事はほぼ終わっていたため、比較的席が空いており、お客さん数名と従業員の皆さん、そして中学生らしき「研修生」が2名いました。その研修生たちは、2日目ということもあって多少慣れてきたのでしょうか。食事の配膳、食器運び・片付け、台拭きなど、従業員さんの指示をよく聴いて、黙々と働いていました。
 スタッフは、さっそく思い思いのメニューを頼み、どんぶりや中華そばに舌鼓。そんなところへ、家族らしき団体が入ってきました。
 「がんばってるか!」とニコニコとしたおじいちゃん。どうやら研修生の一人のご家族のようです。おじいちゃんおばあちゃんから兄弟まで、みんなで御飯を食べに来てくれたのです。研修生は少々照れ気味でしたが、きっとうれしかったことでしょう。私たちもとてもあたたかな気分になりました。

 帰り際に、中塚社長さんにお話を伺うことができました。
 「研修生には、人と話をするときは特に人の目を見て話をするよう注意しています。「人の目を見てあいさつすると、相手も気持ちいいよ!」とね。」

 と、そのとき、「パリーンッ!!」という大きな物音が。研修生の一人が、器を落として割ってしまったのです。
 社長さんは即座に、「大丈夫? 怪我はしなかった?」と大きな声で心配し、そして私たちスタッフに「失敗していいんな。その積み重ねが大事な。」と。
 中塚社長さんは、「中学生に仕事をやらせてあげる」ではなく、「中学生を育てるんだ」という意識をお持ちだということがひしひしと感じられました。

 葵さんでは「地産地消」の取り組みも積極的にされており、8月第2週には「夏休み子供向け企画」として、地元食材を使用したメニューを予定されています。

 ・8月4日(月)~5日(火)2日間限定 「お山のカレー」
   下栗いも(上村)、ていざナス(天龍村)、鹿肉(南信濃)がたっぷり入ったカレーです。

 ・8月6日(水)~8日(金)3日間限定 「鯉どんぶり」
   小骨が多い鯉ですが、油で揚げてあるので骨まで食べられるそうです。

 飯田下伊那の食材をふんだんに使ったメニューです。子どもたちのお小遣い程度で食べられるとのこと。ご家族みんなでお食事に出かけられてはいかがですか?

7.28.2008

『わが家の「結いタイム」 ~家族のふれあいのために~』 家庭共育(教育)の取組み

 今、子どもたちに、社会や他者に関わる心が育ちにくい状況が生まれています。社会、家庭、学校が複雑に絡み合う中で一概には言えませんが、テレビゲーム機器などの急速な普及やマスメディアから流される圧倒的な情報、また、家庭の中での基本的な体験や世代間交流が少なくなっていることなどが、その大きな一因として考えられています。
 最近もマスメディアの影響、自己肯定感の不足、人と人との対話不足などが原因ではないかとされる凶悪事件が、都会、田舎を問わず全国で発生するようになってしまいました。

 このような状況の中、飯田市教育委員会では、市民の家庭共育(教育)の重要性を訴え、充実を図るために

 『わが家の「結いタイム」 ~家族のふれあいのために~』

 と名付けた啓発活動を展開していくこととしました。
 家族が「共に育つ」事を柱に据え、家族が一緒に過ごす時間を「結いタイム」とし、家族の対話やふれあいを意識的に啓発していきます。
 具体的には、「読書」「体験(お手伝い)」「あいさつ」「会話(メディアと接触しない時間をつくる)」の4つを「水引(みずひき)」を合言葉にして親しみやすく啓発していきます。

※ 「結い」とは、「飯田」の語源とも言われており、ここでは「親と子を結ぶ」ことを託しています。「水引(みずひき)」は、飯田の特産である水引を元に、親子が解けることのない結びで結ばれていることを表します。

◎ 合言葉は『みずひき』

 ①『み』 みんなで話そう スイッチ切って
  親子の対話の促進(テレビ・パソコン・ゲームのスイッチを切る)

 ②『ず』 ずくを出し みんなでお手伝い
  親子いっしょの体験(お手伝い・食事の準備・農作業)

 ③『ひ』 ひろげよう 親子の対話 読書から
  親子で読書(親子で読書・読み聞かせ)

 ④『き』 きもちよい 親子のふれあい あいさつから
  親子であいさつ

 それぞれの家庭で意識的に取組みましょう。

7.25.2008

自分の土器を作ったよ!!

 飯田市上郷考古博物館では、親子でものづくりを体験しながら、歴史に興味を持って欲しいと「縄文土器づくり教室(縄文土器を作ってみよう!)」を開催しました。
 12組の親子・家族を含め、33名の参加者が「my土器」づくりに挑戦です。まず、土器づくりのビデオや展示してある本物の土器を見て、イメージをふくらませます。子供たちは、そのまま使える粘土(テラコッタ粘土)を使用したので、土練りなど手間のかかる野焼き粘土を使い大汗をかいている大人たちを尻目に、どんどん形ができていきます。

 いろいろな道具を使い模様の研究を始める子、個性的な器形をめざし何度も作り直している子などそれぞれ楽しそうに、でも真剣です。
 「丸いボタンの土器ができてうれしい!焼く時こわれないか心配だな・・・」
 「粘土をヘビみたいにして作るのがおもしろい!」
 と子どもたちは粘土遊びの要領で工夫し、いきいきと作り上げます。作り始めて約3時間(なかには昼食持参で午後まで熱心に取り組んだ方もおられました。)、思い思いの縄文土器ができあがりました。

 保護者からは、
 「親子で模様や形について相談しながら楽しくできました。」
 「自分の方が余裕がなくて子どもに手伝ってもらいました。難しいものですね。」
 などの感想が寄せられました。
 大昔の人も、こうして親子で語り合い伝え合いながら土器を作ったのでしょうか…
 「来年はもっとたくさん粘土が欲しい!大きいの作りたいから!!」
 と、もう来年の構想を練っている子どもの声も聞かれました。

 皆さんが作られた土器は、乾燥を兼ねて上郷考古博物館でお休み中。11月16日(土)の野焼きで完成となります。指導してくださった先生方、ありがとうございました。いつもは指導する側の親が子どもに手伝ってもらったり、子どもの想像力の豊かさに驚いたり、会話しながらの楽しい親子体験となりました。

7.24.2008

浜井場小学校セカンドスクールin旧木沢小学校2

 7月17日(木)・18日(金)に南信濃「旧木沢小学校」・上村「ハイランドしらびそ」・下栗地区で浜井場小学校5年生が、生活体験学習を行いました。
 浜井場小は、今年度文部科学省の「農山漁村におけるふるさと生活体験校」に指定されており、年間を通じて、遠山郷(飯田市南信濃・上村)での学習を行っている6月17日に続き第2弾の学習でした。

 7月17日は、木沢地区活性化推進協議会の皆さんが講師を務め、宮崎駿監督が「千と千尋の神隠し」を制作するときに参考にしたと言われる「霜月祭り」を学習しました。 「霜月祭り」の歴史、内容、神社の案内を岩島さんにお伺いしました。岩島さんは、子どもたちに分かり易い様に絵を書いてきて、教えて下さいました。
 「霜月祭り」に大切な「笛」「太鼓」は、松下さん・深尾さんに丁寧に指導して頂きました。さらに、子どもたちには、松下さんから手作りの笛がプレゼントされました。この笛は、松下さんが、材料の確保(山から切り出し)から、製作まで約1週間かけて製作していただいた物です。心のこもった贈り物に子どもたちは、大喜びで、真剣に練習に励んでいました。
 松下さんは、「昔はみんなこうやって自分でつくったんな」と笑顔で話しながら、子どもたちを指導されていました。
 お昼の時間は、お弁当を食べることもそこそこに、講師を務めた皆さんの廻りを囲んで、霜月祭りの歴史をさらに質問する子・笛や太鼓を教わる子がいました。「霜月祭りで笛を吹きたい」という子が何人もおり、講師の皆さんも目を細めて指導されていました。
 昼食後に木造校舎の旧木沢小学校を清掃して、宿泊先の「ハイランドしらびそ」へ向かいました。
 「ハイランドしらびそ」では、街中では見ることの出来ない澄んだ空気と人工の光のない中で、天文学習の予定でしたが、残念ながら曇りのため屋内での学習となりました。

 7月18日は、日本初の御池山隕石クレーターを見学後、上村「下栗地区」の生活について学習を行いました。
 下栗自治会の胡桃沢自治会長さんほか2名の方に「耕して天に至る」といわれる下栗について、地区内を歩いて話を聞きました。「同じ飯田市内でも、浜井場小学校のある市街地との違いを見てほしい」と地区の方が、話される中、子どもたちも予定の時間を超える質問をしていました。

 昼食は、旧木沢小学校で地元料理である五平餅を地区の女性を講師に迎えて、自分たちで作りました。
 以前は、どこの家庭でも作られていた五平餅ですが、今では、ほとんど作られなくなりました。
 子どもたちは、自分たちで作った五平餅が、とても気に入り、多い子は、3本も食べたそうです。また、全員、残すことなく食べることが出来ました。

 木沢地区活性化推進協議会の方の話では、「旧木沢小学校に大勢の子どもの声がする」と木沢地区で話題になっているそうです。「やっぱり学校には子どもの声が一番似合うね」と皆さんが仰っているそうです。


 次回は、遠山地区で関わった方を招いて浜井場小学校で交流を行う予定です。それまでに、霜月祭りの「笛・太鼓」を習って発表できる様にしたいとの事でした。
 今回も子どもたちばかりでなく、関わった大人たちも元気になりました。
 これからも子どもばかりでなく関わった保護者・地域の方に元気と地域への誇りを与えてくれる地育力による学習を目指します。

旧木沢小学校・霜月祭り・下栗の里の詳細は、
 木沢小学校 http://tohyamago.com/kankou/kizawa/index.html
 霜月まつり  http://tohyamago.com/simotuki/index.html
 下栗の里  http://www.dia.janis.or.jp/~simoguri/
をご覧ください。

7.18.2008

水引ブローチ作りに挑戦!!(鼎小学校5年生)

 8月のアフィニス音楽祭の参加音楽家に付けてもらおうと、鼎小学校5年生が水引のブローチと箸置き作りに挑戦しました。
 飯田水引組合青年部を中心とした10名の職人さんが、1グループに1人ずつついてくださり、基本となる『淡路結び』からスタートです。1人1人に渡された色とりどりの水引から「やっぱ緑でしょ!」と呟きながら自分の好きな色を引き出します。小学生・中学生・高校生まで指導されることがあるという職人さん方。教え方も個性的で工夫されていました。

 ――― 淡路結びの作り方(こんな教え方をされてました。) ―――
 「まず真ん中を決めて3本を持ってください。両手で持って、右を上にして月を作ります。右を上にして右手で持つ。左手で親指と親指が行き会います。ロケットをシューッと発射!機械の故障で不時着!不時着した所を持つ。障害物をジャンプして下から入ってぬっていく…。」

 子供たちが、楽しく印象強く『淡路結びの作り方』を覚えられるよう工夫された言葉がけです。
 「これ知ってる作り方!なつかしいー。」
 「あわじ忘れちゃった!!」
 4年生の時、水引の体験や見学をしたことがあるという5年生。
 「あー失敗した。この辺ブヨブヨだ!」
 「これさー、黄色が真ん中にいかん!」
 と四苦八苦しながら、徐々に引っ張り加減やコツを覚え、1つできると次を黙々と作り出します。

 「演奏家の方が付けてくれるので、心を込めて作ってネー」と職人さん。
 始め糸状だった水引から個性的な色合いの花ができあがっていきます。指先を見つめ、集中し、そこに一人一人の思いが伝えられていきます。
 「日本中の水引の70%は、飯田で作ってるって社会で勉強したよ!!」
 と自慢げに話す男の子。地元の大切な産業である水引の学習が、継続的に行われていることがわかります。
 職人さんが、淡路結びをまとめていく手元を見て、
 「すげー!」
 とどよめきが・・・。そして自分で作った作品が完成すると、
 「先生!これできた!!」
 と、まずは担任の先生に報告です。
 「いいねー。器用だなー。喜んで付けてくれるに!!」と先生から褒めてもらい、意気揚々と次を作り始めます。
 「きれいな花になって良かった!」と友達同士見せ合ったり、「最初変になったけど、水引の先生が教えてくれたからできるようになった!!」と、うれしそうにそれぞれの胸に付け合います。
 「余った材料は、家に持っていって家の人に作ってあげてください。」と言われ、いくつも箸置きを作っていた男の子は「家族の全員分作るんだ!!」と元気に叫んでました。

 「小学生が、ゲーム以外でもこうやって2時間位集中して作れる。手仕事の力はまだまだ捨てたもんじゃないな!!」と職人さん。
 家に帰って、お家の人は何と言ってくれるのでしょう。5年生の子供たちが“先生”になり、家族で水引細工体験ができたら楽しい会話が広がることでしょうね。
 「お父ちゃ違うに。ここはこうやるんな!」なんて自信満々で家族に教える子供たちの姿を想像すると、うれしくなります。

 子供たちのために時間を作って指導してくださった職人のみなさん、本当にありがとうございました。

7.15.2008

『みんなで子育てパワーアップ講座』第1回目を開催しました。

 平成20年7月1日。
 「みんなでパワーアップしましょう!!」という伊澤教育長のあいさつで、第1回目の『平成20年度 飯田市みんなで子育てパワーアップ講座』が開催されました。

 自ら積極的に講座に申し込み、まっすぐ子育てに向かおうとする42名の受講生さん。せっかくの出会いですから、少しでも知り合い、打ち溶け合えたらと願い、ゲーム・グループトークを行いました。

 『自分の名前について』をテーマにしたトークでは、
 「本当は違う名前になるはずが、土壇場で変更になった方」
 「結婚後の名前が大好きな方」
 「偶然同じ姓名判断の方にみていただいたというペア」などなど、
 時には笑い、時には拍手!相手に話しかける一人一人の表情は、イキイキとしていました。

 続いて『この講座に求めること』のテーマでグループトーク。
 まず紙に自分の思いを書き、発表し合います。
 「子育てに自信がもてない。何かみつけられたら…。」
 「子育ての仲間が欲しい、学びたい、先輩の話が聞きたい!」
 「父親として、いろいろな人の話を聞いて、子育ての巾を広げたい」などなど・・・
 自分の中の課題が少しずつはっきりしてきたところで、いよいよ広岡守穂先生の登場です!!

 東大法学部卒、現在中央大学法学部教授の広岡先生。どんな方かと思いきや、ごく普通の気さくそうな50代後半の男性。5人の子どものお父さんであり、既にお孫さんもいるおじいちゃんです。
 ご自身の経験を、ひとつひとつていねいに言葉を選びながら、会場に温かな空気を振りまくようにお話が進んでいきます。
 「子育て中に夫婦の溝ができるんです。子育て中の妻の『自分育て』を支えてあげるのは夫しかありません。」の言葉に、何人もの人が大きくうなずきます。
 実際にダウン症のお孫さんをお持ちだという先生。「障がいがあるとかないとか関係ないでしょ。私たちにとっては大切なかけがえのない孫。かわいがって育てていこうね!」奥様がおっしゃったというこの言葉に、ハンカチで目をぬぐう受講生さんも。疲れ悩みながら、夢中で過ごしてきた自分の子育ての日々が脳裏に浮かんだのでしょうか。
 そして、次々とお話される印象的な言葉が私たちの心に刻まれていきました。

・「僕はこの世に生まれてきて良かった!」と思えるのは、かけがえのないダイヤモンドのような思い出があるから。そしてそれは、見ず知らずの大勢の人の中での体験。地域の子どもにダイヤモンドのような経験を与えたいですね。
・人間には、自分をちゃんとみつめてくれる人、そのままの自分を認めてくれる人、あなたがいてくれなくては困ると自分を求めてくれる人が必要です。互いにそういう関係を作っていく、そんな社会にしたいですね。

 広岡先生の飾らないやさしい言葉が、「よくがんばってるネ!」と受講生さんの背中をさすってもらえたのでしょう。受講者の皆さんの表情が徐々に和らいでいくのが印象的でした。

 講演終了後には、
 「先生のお話は、世のお父さんたちに是非聞かせたいと思いました。父親をもっと子育てに参加させるにはどうしたらいいでしょうか。」
 「見ず知らずの子どもに声をかけにくい世の中で、地域の子どもたちにどう関わっていけばいいのでしょうか。」
 など、いくつもの質問が受講生さんから出されました。
 また、帰りの駐車場では、この日知り合った仲間同士で、広岡先生のお話の感想や、次回の参加の確認などが繰り広げられていました。

 まだまだ続く自分流の子育てを模索する日々。この講座が、子育てのヒントになり、子育て支え合い仲間が増え、それによって受講生さん一人一人が輝ける。そんな講座になれば…と願うばかりです。

 9月1日に行われる第2回講座で、また会えることを楽しみにしています。

7.09.2008

「ブロンズライセンスセミナー」を飯田市で開催しました。

 去る6月14日・15日の両日、教員や社会体育のスポーツ指導者等を対象に、JACOT認定の『コーディネーショントレーニング ブロンズライセンスセミナー』を開催しました。受講者は総勢35人。飯田下伊那地域の指導者をはじめ、遠くは東京や広島からの受講者もありました。

 さて初日は、コーディネーショントレーニングの総論の学習とエクササイズの実践。「マリオネット」や「クロスタッチ」など、用具を使用しないで一人で簡単にできるメニューを中心に行ないました。

 「マリオネット」とは、例えば腕(上半身)はグー・パー・グー・パーの2拍子、足(下半身)はグー・パー・パー・グー・パー・パーの3拍子というように、リズムよく跳躍しながら上半身と下半身を同時に動かす運動。「クロスタッチ」は、身体の前で右手と左足をタッチ、左手と右足をタッチ、次に身体の後ろで右手と左足をタッチ、左手と右足をタッチ・・・これを繰り返す運動で、コーディネーションの7つの能力のひとつであるリズム・連結能力を高める効果があります。
 このほかにも、テニスボール3個を使ったジャグリングなど「身体」と「脳」を連結させるためのエクササイズを数多く行ないました。

 2日目は、マットやフープを使ったエクササイズ、子どもから高齢者を対象としたプログラム作成などを学びました。
 マットを使用するエクササイズのねらいは、日常的な運動では行えない縦軸横軸の回転などの動きを体感することにあります。参加者は、中学校以来のマット運動に懐かしさを覚えたようで、とても楽しそうに回っていました。
 また、お互いに背を向けて四つんばいになり、両足を同時に振り上げて着地と同時に足ジャンケンを行う「レッグスジャンケン」や回転させたフープの中を2人でボールトスしながら進む「フープスローパス」など、ゲーム形式のトレーニングを楽しく体験することができました。

 「コーディネーション」とは「からだを巧みに動かす能力」のことです。一般に、スポーツ選手について「あの選手は身のこなしがよく、運動神経が優れている」とか、「状況判断がいい」「ボールさばきがうまい」といった表現をします。子どもたちの動きに目をやると、バランスをとるのがうまい子や、リズムに合わせてからだを動かすことが得意な子がいます。このような人たちの動きに隠されているのが「コーディネーション能力」です。
 飯田市教育委員会・(財)飯田市体育協会では、この能力を高めようとする「コーディネーショントレーニング」を推進し、また、指導者の育成・指導者の資質向上も目的とし、新しい視座を持った教員やスポーツ指導者が地域に増えることにより、飯田下伊那地域における子どもの体力や運動能力の向上、各種競技スポーツの発展、さらには高齢者・障害者などあらゆる人々の健康増進を図って行きたいと考えています。

 ブロンズライセンス取得おめでとうございます。これからの皆さんの活躍に期待します。

7.03.2008

3日間の職場体験学習(竜東中2年生)~③

 竜東中2年生の職場体験。3回目(最後)の紹介は、【多摩川精機㈱】さんと【キング堂】さんでの体験の様子です。

【多摩川精機㈱(カムテップ㈱)】
 S君の体験先は、多摩川精機㈱の子会社であるカムテップ㈱。FA(産業ロボット)用サーボモータ、ハイブリッド自動車用角度センサ他、各種制御装置を製造している会社です。
 S君が体験させていただいていた仕事の内容は、FA用サーボモータの最終工程での製品チェック作業。そこを通過したサーボモータがそのまま製品として外に出ていくことになり、非常に重要なポジションを任されていました。
 会社の方のお話では、「最終工程では、製品を二重にチェックする仕組みになっているから、まずチェック漏れはないが、それでも相当重要な仕事だよ。」と、生徒がやりがいを感じるように工夫していただいていました。
 また、S君の様子については、「1日中立ち仕事なので少し疲れてる様子だね。でも、あいさつも返事もきちんとできる子だし、わからないことは質問できるよ。ものづくりに興味があるみたいで、意欲があって本当に良い子だね。」と。S君に感想を聞いたところ、「同じ作業の繰り返しで疲れます。でも、ものづくりに興味があるから面白いです。将来はまだ決まっていないけど、こういう仕事に就けたらいいと思います。」とさわやかに答えてくれました。

【キング堂】
 S君の体験先は、中心市街地銀座にある文具店「キング堂」です。S君は、静かな店内の一番奥のほうで、お店の方から指示を受けながら値札付けの作業を行なっていました。
 お店の方のお話では、仕事内容は、値札付けのほかに商品陳列や商品配送準備のお手伝いなどだそうで、力仕事もあるとのこと。でも非常に一生懸命やってくれると、うれしそうに話していただきました。日頃テニス部で鍛えている成果が生かされたようですね。
 本人の感想は、「日頃勉強で使っている文具に興味があったので、ここを希望しました。仕事は、3日目で疲れがあるけどだいぶ慣れてきました。将来は、まだ決まっていないけど、こういうものを運ぶ運送の仕事とかに就ければと思っています。」ということでした。
 また、キング堂さんの品揃えの多さは折紙付き。ここにしかないから、東京や大阪など遠くからわざわざ買いにくるお客さんがいることを聞いて、S君は「すごいです。」と驚いていました。
 今回の体験は、S君にとって働くことを学ぶ体験となったと同時に、飯田の中心市街地にこんな専門的なお店があるということを知る機会にもなりました。

 以上、3回にわたって竜東中2年生の職場体験学習の様子を紹介してきました。
 現在、文部科学省では連続5日間、長野県教育委員会では連続3日間の職場体験学習を推奨しています。

 『不安だらけの初日』
 『少し見通しがつく2日目』
 『手ごたえをつかむ3日目』
 『喜びを感じる4日目』
 『達成感から自信をつかむ5日目』

 「職場体験学習が生徒を変える」といっても過言ではありません。より多くの事業所の皆様にご理解とご協力をお願いしたいと思います。

7.02.2008

3日間の職場体験学習(竜東中2年生)~②

 竜東中職場体験第2回目は、【厨房やYOSIKAWA】 さんと【いいだ動物病院】さんでの体験の様子です。

【厨房やYOSIKAWA】
 厨房に入るとすごい熱気。その中で、大きなボールの中のハンバーグ材料を手でこねるMさん。たった一人での職場体験です。
 「デザートやサラダの盛りつけをさせてもらいました。」「始め少し緊張したけど、今は楽しい!」と言葉少なめでしたが、大きな目がクリクリと輝き、常に笑顔で頑張っていました。
 ひげをたくわえたシェフとスタッフの皆さん。口々に「朝元気に入ってきてくれる。」「返事もしっかりできて、前やった事はすぐ次にやってくれる。」「一つの事が終わるとすぐ洗ったり拭いたりしてくれる。」と高評価。
 「高校になったらアルバイトにおいなって言っとるんな。明日から寂しくなっちゃうな!」
 家族以外の大人からの言葉が、Mさんにどれ程の自信をつけてくれた事でしょう。

【いいだ動物病院】
 建物の壁に、大きな木製のネコが魚をしょって這い上がってる病院。二人のOさんの体験先は、いいだ動物病院です。
 ポメラニアンのミックスが、ライオンカットをしてもらっている真っ最中。周りには、ミニチュアダックス、マルチーズも・・・
 二人のOさんは、カットの様子を見せてもらいながら、たまった毛をさっと落とす作業をしていました。
 初日は、手術の見学もあったそうで「普段見れない犬の内臓が見れていい経験になった!」「びっくりしたけど、いい経験になった!」と。
 先生からは「三日連続だったから、慣れてきて要領もつかめ、元気でやってますよ。」
 スタッフの方からは「朝早くから来てくれ、犬の散歩もやってもらい助かりました。」「診察・薬作り・シャンプーと、一通り見たり、体験できてよかったと思いますよ。」と温かい言葉をいただきました。
 「疲れた?」の問いに「まだできそうです。」と頼もしい答え。でもやっぱり家に帰ると、ぐったりしていつもより早く寝るそうです。お疲れ様!!

 次回は、【多摩川精機㈱】さん、【㈲キング堂】さん での体験の様子を紹介します。

7.01.2008

3日間の職場体験学習(竜東中2年生)~①

 6月24日(火)~26日(水)までの3日間、竜東中学校2年生29人が市内各事業所で職場体験学習を実施しました。地育力スタッフが数箇所取材してきましたので、今回から3回に渡って紹介していきます。

【三和観光農園】
 Kさんの体験先は、北方にある三和観光農園。
 1日目は清掃や食器並べなど、2日目以降は観光客のアップルパイ作りのための生地の形成や、ブルーベリー狩りのお客さんの案内、ソフトクリームの販売や売店での接客を体験しました。
 「お客さんへの声かけが最初は上手くできなかったけど、だんだん慣れてきました。ソフトクリームを作るのが難しくて、形が悪くなってしまった時もあったけど、お客さんに笑って許してもらいました。」
 また、「仕事で分からないことがあったとき、最初は皆忙しそうで聞きづらいと思ったけど、学校の先生から、「分からないことをそのままにしておくと大変になるから、きちんと聞くように」と言われたことを思い出し、思い切って聞いてみました。」と頑張った様子を教えてくれました。
 伊藤社長さんからは、「接客や自社スタッフの大人相手で大変だと思うけど、休憩時間も大人に混じって一緒にお茶を飲んどるに。Kさんのお祖父さんが、心配で様子を見にきたんな。」と微笑ましいお話も。
 取材時は、県外からの団体のお客さんが大勢来ており、Kさんは売店で忙しそうに接客をし、袋に商品を詰めていました。またブルーベリー狩りのお客さんには、「どれがおいしいの?」を聞かれ、「木の下の方になっている実が甘いです。」とにこやかに説明していました。

【入舟幼稚園】
 Tさんの体験先は入舟幼稚園。
 園児のお遊戯の準備をしたり、園児と一緒に遊んであげる体験をしていました。
 Tさんは、小さい子どもの面倒をみるのが好きでこの体験を選んだそうです。「(体験をしてみて)難しかったのは、子どもたちが喧嘩をはじめた時に、どう対応していいかわからなかった。子どもたちに喧嘩の理由を聞いたりしたが、それ以上どうしていいのか分からず、先生に対応をお願いしました。」と話してくれました。
 また初日は、保育士さんたちとも上手く話ができなかったようですが、徐々に慣れてきたようです。Tさんの担当の保育士さんは、「最初はあいさつもあまり出来なかったが、徐々に打ち解けてきた。子どもたちもなついている。なつきすぎて寄ってくるので、本人は少し困っているかもしれない(笑)」と話していただきました。
 また、子どもたちに絵本の読み聞かせをするため、前日にその本を読んでくるよう渡したところ、翌日は子どもたちの前でしっかり読み聞かせが出来たそうです。この体験で、ただ子どもたちの相手をするのではなく、どうすれば子どもたちが喜んでくれるかを考え、事前に準備をする事が大切だとTさんは感じたことでしょう。

 次回は、【厨房やYOSHIKAWA】さん、 【いいだ動物病院】さん での体験の様子を紹介します。