普段、地域から少し距離を置いてしまっている高校生に、生まれ育った地域の自然や文化などの良さを再発見してもらうためのこのプログラム。家庭や学校では、ややもすると思春期特有の反発をみせる高校生にも、理屈ぬきで地域や将来を考えるきっかけになってくれると思います。
まず柿野沢集落営農代表で、地域づくり活動として“手漉き和紙”“県外からの農業体験・教育旅行の受け入れ”等で活躍されている宮内博司さんから、柿野沢地区地域づくりの経過をお話していただきました。
ご自身も下伊那農業高校出身ということで、学校や生徒への思いは熱く、校庭でさつま芋・馬鈴薯を作り、暖房用の薪をせいたを背負って集めに行った60年前の下農の様子をまじえ、
「自分は下農で勉強させてもらった事に誇りをもっている。」
「苦しさに耐えられる人になって欲しい。自分で自分を鍛える事が大切。」
「長くやる事に意義がある。今が大事!努力する時はきっちり努力して、人とのつながりを是非学んで欲しい!」
と、人生の先輩として、穏やかな口調の中に思いを込めて語っていただきました。
戦時中留守を守るご婦人らが、「共同炊事」でライスカレーを作り、地区の人々がそれをもらいに来て、まさしく「同じ釜の飯を食った」のが柿野沢営農活動『ひさかた御膳』のルーツだそうです。
「一人がいくら頑張っても一人は一人。五人十人、農家・非農家が力を合わせて行ってきた積み重ねが認められ、『キラリと光る農業賞・県知事賞』をいただいたり、外からも注目され“やると報いがある”ことでより意欲的にやってこられた。お金には換えられない価値がある。」
と、地域の皆が協力して現在まで継続してこられたことが、宮内さんにとって大きな財産となっているようです。
お二人の話を静かに聞いていた生徒の皆さん。当日は、婦人部の方々と直接会話をしながら料理を作っていくことでしょう。それぞれ、どんな表情を見せてくれるのか今から楽しみです。
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