9.24.2008

『西中チャレンジウィーク』シリーズ⑦ 「終わってしまうのがさびしい・・・小林製袋産業㈱」

 飯田市北方にある果実袋の製造会社「小林製袋産業㈱」。2年生I君の体験先となったこの会社は、地元農家の方には馴染みの深い伝統ある会社です。

 工場の中にお邪魔すると、大きな機械がいくつも動いていました。その工場の奥の方にある「ブドウ用の袋」を製造している工程のところでI君が働いていました。
 I君は、黙々とダンボール箱に出来上がった袋の束を詰めています。従業員の方からの細かな指示もなく、どんどん一人で詰めていきます。そして袋を詰め終わると、次はダンボールの梱包作業。機械でPPバンドを巻く作業に移ります。
 機械の中から「ビューン!!」と勢い良く飛び出してくるバンドを、一瞬にしてダンボールに巻きつけ、熱を加えて止める作業ですが、I君はいとも簡単に次から次へと梱包していきます。さすが5日目ともなると、どんどん一人で進めていけるんだなぁと感心します。
 しかし、I君が梱包したものがそのまま「商品」として市場に出て行くわけですから、失敗は絶対に許されない仕事です。こんな重要なポジションを任されたI君。その仕事をしている姿から緊張感が伝わってきます。

 I君に担当者として付いていていただいた従業員の方から、
 「初日に比べたら、自分で進んで動けるようになったし、何よりあいさつがしっかりできるようになったよ。」といううれしい言葉もありました。
 一段落したところでI君に少し手を休めてもらい、お話を聞きました。
 「初日は少し不安もあったけど、どんな仕事が待っているのかなぁという楽しみの気持ちもありました。一番疲れたなぁと感じたのは3日目くらいでした。1日中立ち仕事だったので本当に疲れました。でも、周りの従業員の皆さんがいろいろ話しかけてくれたので、とてもうれしかったし楽しかったです。今も疲れはあるけど、今日で終わってしまうと思うとさびしい気持ちです。」
 そして、この体験を通じて一番勉強になったことを聞くと、
 「一つ一つの袋がとても大切に作られていたので、物を大切にしなきゃいけないと思うようになりました。」
 その表情や言葉からは、疲れを乗り越えた充実感や達成感がにじみ出ていました。終わってしまうことがさびしいと思えるような体験を、彼は一生忘れることはないでしょう。

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