知久町2丁目にある『お宿 秀の家』
街中の喧噪から少し離れ石畳を進みます。カウンターと向かい合わせの席が数個。ランチをいただきに常連さんらしきお客様。
ジャージ姿に黒いエプロンを付けた飯田西中学校2年のD君とK君。お客様から注文を受け、ランチを運びます。「水をください。」とお願いすると注ぎに来てくれ、他のお客様の水の減り具合にも気を配ります。その動き方があまりに自然でどことなく爽やか。とても慣れている様子だったので「お家は何か商売をやってるの?」と聞くと「いいえ。」とD君。二人ともあまりお喋りは得意そうではありません。食後のコーヒーを頼むお客様と目と目でアイコンタクトをとるK君。知り合いなのかと思いきや常連さんらしく、5日間の体験でそこまでの関係ができたようです。
しかし、始めからうまくいった訳ではありません。
「自分の子どもも同じだで…。」といろいろ体験をさせてあげようと、おかみさんの由紀子さんの配慮でレジから始めたものの、まるで声が出ません。スタッフ同士声を出し合っていかないと成り立たないこの商売。
「そんな声じゃ聞こえないよ!!」とおかみさんに気合いを入れてもらい再挑戦!
2日目、心配で顔を出してくださった先生も、生徒たちの変化を目の当たりにされ、喜んでくださったそうです。
毎日書く実習日誌に真剣に記す自己評価には、「お客様やスタッフの皆さんとコミュニケーションを取れるようになりたい。」と。二人の課題を見たおかみさんは、できる限り課題に添った体験をさせてあげたいと心を砕いてくださいました。
取材中コーヒーを運んで来てくれたK君に、「こういう時は、失礼しますって言うんだよ。」とおかみさん。K君もしっかり応えます。親にさえあまり注意を受けた事がないであろう『現代の子どもたち』。愛情を伴ったきびしいひと言は、いつか2人に役立つことでしょう。
9.17.2008
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿