8.25.2008

中学校教諭の農家ホームステイ研修

 当市では地育力の向上のために中学生の農業・農家宿泊体験を多くの中学校で取り組みができる様に進めています。
 その取り組みの一つとして、先生方に「農業・農家宿泊とはどのようなものか」と分かって頂こうと7月31日(木)・8月1日(金)に千代「ごんべえ邑」と地域の農家で「中学校教諭の農家ホームスティ研修」を行いました。
 午後、千代「ごんべえ邑」に集合した後、教育長から地育力の向上で教育委員会が農業体験・農家宿泊を推進する意義、千代の農家の方から体験修学旅行に取り組んだ経過、「ごんべえ邑」をつくった経過、などを聞いた後、農業体験を行いました。
 農家の方に指導して頂き、乗用の草刈り機での草刈り・柿の摘果を行いました。柿の摘果の際には、摘果作業の仕方だけでなく、鹿や猪による獣害の現状なども聞きながらの作業を行いました。
一服した後は、竹細工を指導してもらい、夕食に使う食器を製作しました。
 夕食時には、農家の方の思いを語って頂きながら、「ごんべえ邑」特製の「どぶろく」で会話を弾ませました。さらに、宿泊先の農家でも、体験修学旅行で子どもたちを受け入れた感動や思いを遅くまで語り合っていました。

 二日目は、りんごの圃場での作業を行いました。炎天下の中で、藁を敷く作業を行いました。一服した後、受け入れ農家の栽培品目を実際に見て、どのように栽培・販売をしているのかをお聞きしながら収穫作業を行いました。
 今回の研修を契機に多くの中学校で農業体験・農家宿泊を取り入れ、他人とのコミュニケーション能力を高めるとともに、子どもたちが農業の大切さを肌で感じてもらう様取り組んでいきます。





ごんべえ邑ブログ
 http://gazoo.com/g-blog/CHIYO_MURA003/index.aspx

8.22.2008

親子で行く。地元産業見学ツアー

 8月7日(金)。今年一番の暑さという予報の中、飯田市と飯田商工会議所さんの主催で行なわれた「親子で行く。地元産業見学ツアー2008」
 昨年に引き続き2回目の開催です。参加者は、親子12組 31人。小学校6年生を対象に募集をしましたが、兄弟の参加もあってにぎやかになりました。
 地場産業振興センターに集合して、大型の信南バスで移動です。

 最初の見学先は、飯田市地方卸市場の中にある「飯田青果」さん。
 あちこちに野菜や果物がたくさん置かれていて、フォークリフトも走り回っています。なんとなく慌しい雰囲気の奥の方で「せり市」が行なわれていました。
 近寄ってみると、
 「エーコレ、にがうりー」「エーコレ、モロヘイヤー」などというせり人の声。
 「〇×△□※」「※□△×〇」
 周りの買い手の皆さんはきっと金額を言っているんでしょうけど、何を言っているのかさっぱりわかりません。子どもたちの頭の中も「?マーク」といった感じ。後から説明をお聞きすると、「専門用語だから一般の人にはわからないでしょう。手で数字を示す「手やり」と呼ばれる合図もあるんです。」とのこと。また、青果物の市場流通の流れについても教えていただき、野菜や果物がどうやって家庭まで届くのか勉強させていただきました。

 続く見学先は、「多摩川精機㈱」さんです。
 多摩川精機さんといえば、航空・宇宙・防衛関連をはじめ、工場設備関連、輸送機関連、遊戯機器関連など、いろいろな分野の部品製造をしている会社です。
 その中で、今回見学させていただいたのは松尾毛賀にある第二事業所。ここでは主に産業ロボット用(FA)部品、ハイブリッド自動車用部品などを製造しています。
 特に、トヨタのハイブリッド車「プリウス」に搭載されている速度・角度検出用センサ「シングルシン」は、100%ここで作られているそうです。
 工場に入ってみると、機械のラインがいくつもありましたが、予想以上に従業員の皆さんの人数が多かったのが印象的です。多くの人の目、人の手に直接触れて製品が作られていることがわかりました。  工場見学後、元の会議室に戻ると、
 「なぜ、東京から飯田にきて創業されたのですか?」
 「なぜ、ハイブリッド車の部品を手がけることになったんですか?」
 「他社のコンテナが沢山ありましたが、この中に他の会社が入っているんですか?」
 など、会社の歴史から現在のことまで次々と質問が飛び交い、少々タイムオーバーです。

 さて3番目の見学先は、「シチズン平和時計㈱」さん。
 会社紹介では、新キャラクター「えこっち」の登場です。
 東京で創業していたシチズン時計が、第二次世界大戦を機に飯田に疎開。数年後に平和で豊かな飯田にしたいという願いから「平和時計製作所」が誕生したという歴史のお話から始まり、地球環境に優しい製品「エコドライブ」の製作、また、省エネ・省資源・省スペースの取組みなど、子どもたちにもわかりやすいように漫画チックにお話していただきました。
 工場見学では、1個数十万円もする高級腕時計を手作業で組み立てている「マイスター」の皆さんの仕事ぶりを拝見することができました。会社のあちこちには、マイスターさんたちの作品でしょうか。高級腕時計がいくつも展示されており、大人も子どもも釘付けです。
 また、腕時計の革ベルトに使われている「ワニ」の革がいくつも登場。これはワニのおなかの部分の皮革で、本来の色は白ですが、このように青や茶色に染めて使用するとのことでした。
 時刻は既に12時半。みんなのおなかがすいたところで、昼食会場へと移動です。

 昼食&水引体験会場となったのは「山都飯田」さんです。
 少々時間が押し気味でしたが、子どもたちはモリモリとたくさん食べておなかは満足。食後のデザートにソフトクリームをほおばる家族もいました。
 そしていよいよ、みんなお待ちかねの「水引体験」です。
 机の上には、水引でできた見本の梅の花。それを見ながら、枝、葉、花を形にしていきます。枝の太さも、葉の形も、それぞれ自分の好きなようにできます。
 「わからん。どうやってやるの?もう一度教えて!」と苦戦する様子も。
 花の大きさに見合わないほど太い枝にしてしまった男の子や、星のような形をした葉っぱを作った女の子。それぞれお父さん、お母さんの助けを借りながら、思い思いの梅の花が出来上がりました。
 体験終了後、売店でそれぞれお土産を購入して、いよいよ最後の見学先へと移動です。

 今回のツアー最後の見学先は、「味噌・漬物蔵元 稲垣来三郎匠」さんです。
 到着して、まず最初に案内していただいたのは味噌蔵です。人の身長の倍もある高さの大きな樽がいくつも置かれていました。少々鼻を突くような味噌の香りの中、お店の方から
 「みんな!味噌は何から作られているか知ってますか?」との問いに、
 「ダイズ~!!」と声を揃えて答えが返ってきます。そして、
 「これが、味噌が熟成する前の状態のものです。色がまだ白いですね。食べたことあるかな~。みんなで試食してみてくださ~い!」と、白い粉の入ったビンをみんなに回していただきました。
 「しょっぱ~い!」「まずっ・・・」
 決して美味しいといえるものではありませんでしたが、これがあのコクのある美味しい味噌に変身するなんて、とても不思議な感じでした。
 味噌蔵見学後は、売店に移動して試食タイムです。
 こちらのお店自慢の味噌で作ったお味噌汁や甘酒の試飲から始まり、ごぼう、にんじん、かぶ菜、しま瓜などいろいろな野菜を漬けた漬物が食べ放題!?
 「お母さん。このごぼううまい!買ってよ!」とせがむ姿も。
 また、トマトやたまねぎ、かぼちゃなどの野菜でできたジャムも注目を集めていました。

 朝9:00からスタートしたこのツアー。今日1日で5箇所も見学したのに、子どもたちはまだまだ元気いっぱいといった感じでしたが、楽しいひと時はあっという間に過ぎてしまいますね。
 普段、なかなか見ることが出来ない会社の中、裏側など、本当にいろいろ勉強になったことでしょう。是非今日の参加者の中から、将来の地元産業の担い手が生まれてほしいものです。

8.21.2008

『受け継がれてゆく伝統人形芝居 IN 飯田』

 飯田市には、300年以上地元に伝承されてきた「今田人形」「黒田人形」があります。
 8月8日中央公民館に於いて『受け継がれてゆく伝統人形芝居IN飯田』と題して、いいだ人形劇フェスタ2008特別集合公演が行なわれ、飯田市立三穂小学校人形劇クラブ『みほっこ』・高陵中学校黒田人形部・竜峡中学校今田人形座が出演しました。

 三穂小「みほっこ」は、今田人形座の指導を受け4~6年の6名の部員が心を一つにして二体の人形を操り、「今田人形・寿式三番叟(ことぶきしきさんばそう)」を演じました。

 高陵中学のS・K君はおじいちゃんが、Y・S君はお兄さんが「黒田人形」をやっているそうで、小さい頃から「黒田人形」に触れ親しんできたことから、自然に人形部に入ったそうです。「傾城阿波の鳴門(けいせいあわのなると)」で母子の心の葛藤を、情感豊かに人形のちょっとしたしぐさの中に表現していました。

 “ジュニアの部”の締めは、竜峡中学校今田人形座「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)-政岡忠義の段(まさおかちゅうぎのだん)-」です。42名が総合学習の中で人形遣い、義太夫を学び、特に義太夫は95歳で現役の金井美昇(金井はま子さん)の指導を受け、堂々と表情豊かに表現することができました。
 T・F君は「先輩がやっているのを見てすごいなーと思った。」と言います。先輩から後輩に、真剣に向かう姿もちゃんと伝承されていきます。

 幕間には、八王子車人形五代目 西川古柳氏の解説が入り、人形浄瑠璃や内容の理解が深まりました。それによると、人形は神様と人間の間を行き来するもの。強く足踏みすることで悪霊をはらうという意味があるそうで、公演後の演者へのインタビューの際「上手に踏めていましたよ!」とお褒めの言葉をいただきました。小学生中学生それぞれに照れながらも「人形は重いけど頑張ってできました!」「頭の動かし方がむずかしい。」「役の特徴をつかんで太夫もやりたい。」「これからもできる演目を増やしていきたい。」と力強い言葉を聞くことができました。

 八王子より参加した八王子市立由井中学校三味線部は、八王子車人形を伝承している中学OBの高校1年の若者たちです。飯田の小・中学生の公演の感想を聞くと、「三人遣いは左手が使えてなめらかに動けていいな~。」「車人形は一人で一体を操るため人形の左手は使えず、不自然な格好でやるから終わると筋肉痛ですよ!」

 形態の違いはあっても同世代の子ども・若者たちが、地域の芸能後継者として人形浄瑠璃を伝承していきます。今回のように互いの公演を見合い交流することで、より見聞を広め磨きをかけ、そのことにより飯田の大切な文化が益々発展していってくれるのだと思います。

8.20.2008

『おもしゃかった!―また来てな! ~伊勢市との小学生交流会~』

 8月3日(日)~4日(月)にかけて、飯田市と伊勢市の小学生の交流会が開催されました。伊勢市との交流会は、今年で31回目になります。今年は、飯田市から上久堅小学校、千代小学校、千栄小学校、龍江小学校、川路小学校、三穂小学校の6校から28名、伊勢市からは、12校35名、いずれも6年生が参加し、各学校の先生が引率されました。
 去年までは飯田市の小学生が伊勢市へ磯遊びに行っていましたが、今年は初めて伊勢市の小学生を飯田へ迎えました。

 まずは、楽しみにしていた天竜川のラフティング体験です。ここのところの猛暑と雨不足で天竜川の水位は下がっていました。今日も太陽の熱さがジリジリと肌に焼きつくような夏真っ盛りの晴天です。ライフジャケットとヘルメットを身に付けた子どもたちは、初めての体験に、楽しみ半分、緊張半分の表情です。インストラクターから、川の流れは穏やかに見えても意外に早いこと、川に落ちてしまったら、石に足を挟まれることがあるから決して立たないこと、など自然の厳しさを説明され、少々不安げな子どもたちです。
 でもいざラフティングが始まると、最初の不安はどこへやら、約1時間の川くだりのあいだ、水をかぶってずぶぬれになったり、飯田の子も伊勢の子もみんなで呼吸を合わせてボートを漕漕いで、「キャー」「おもしろい!」と楽しそうに大声をあげていました。歓迎式では緊張していた両市の子どもたちでしたが、もうすっかり馴染んでいます。ボートに同乗した引率の先生達も、童心に戻ったように、子どもたちと一緒にはしゃいでいました。
 
 夜は市内のホテルで、飯田市の子も伊勢市の子と一緒に宿泊しました。広間で夕食を食べた後は、人形劇フェスティバルに合わせ、人形劇の上演が行われました。自分達でお膳を片付け、テーブルを動かして、会場づくりです。
 上演してくれたのは「だるま森」さんです。音楽と人形劇を融合させたパフォーマンスで子どもたちの笑いを誘い、時には目を丸くさせて(?)楽しい時間を過ごしました。
 今年の人形劇フェスティバルは、10周年記念で開催期間が長いため、人形劇を見て、「後日、人形劇フェスティバルに来ます!」と話す伊勢市の先生もいました。
 宿泊部屋は、飯田市と伊勢市の子どもが一緒でした。仲良くなって、住所や電話番号を交換した子どもたちもいたようです。当初は方言やイントネーションの違いに戸惑っていたようですが、翌日の朝には、もうすっかり地元の言葉で話をし、仲良くなっていました。
 
 2日目は、伊賀良公民館で児童会活動発表会を行いました。まずは飯田市を代表し、龍江小学校です。続いて伊勢市を代表して四郷小学校が発表を行いました。自分の学校の特色や活動を、写真や動画を使って分かりやすく説明してくれました。みんなこの日のために練習を重ねてきた様子で、はきはきと説明し、自分の学校に誇りをもっているようでした。
 発表後は、レクレーションの時間です。指導してくれたのは飯田市の体育指導委員の宮下さんです。相手の出したじゃんけんを見て、勝ったり負けたりする「後出しじゃんけん」で「わ~!間違えた!」、足を踏み合ってポーズをとる「足タッチV字バランス」で「キャー」と大はしゃぎです。飯田の子も伊勢の子も一緒になって、みんなで汗をかいて体育館を裸足で飛び回り、体育館の暑さを忘れるほどの盛りあがりでした。

 体を動かした後は、飯田の特産である水引の体験です。体験をさせてもらったのはせきじま水引さんです。飯田市の水引生産量は、全国シェアの約8割を占めています。まず、水引とはどんなものか、どんなことに使われているか、などの説明を受けました。その後、ピンクや白、水色などの色とりどりの体験用の水引をもらい、今回は淡路結びの結び方を教えてもらいました。工芸館の職員から、大きな見本の水引を手に「ここへ紐を通したら、ここから出して・・・」と説明を受けますが、「もう1回やって!」「難しい!」と次々に手が挙がります。子どもたちは、水引細工の大変さを学んだようです。出来上がった水引は、一生懸命作ったかいあって、みんな素敵な出来栄えです。特に伊勢市の子どもたちは、初めて水引を手にする子ども達がほとんどで、とても感激していました。

 昼食のそばを食べて腹ごしらえをしたあと、歓送式を行いました。まだまだ交流をしたい気持ちでいっぱいでしたが、伊勢の皆さんが乗ったバスを全員で見送りました。伊勢市の子は「ありがとね!」「今度は伊勢にも来てね!」とバスの窓越しに身を乗り出して笑顔で手をふり、飯田市の子は「連絡してな!」「また来てな!」と手を振り合っていました。

 山にはぐくまれた飯田市の子どもと、海に恵まれた伊勢市の子どもの交流会は、楽しいうちにあっと言う間に終わってしまいました。両市の子どもたちは、方言の違いや地域文化の違いを新鮮に感じていたようです。伊勢市のこども達は、ラフティング体験で山川の自然に触れたり、飯田の文化の水引体験をとても楽しんでくれました。伊勢の方言で「おもしろい」を「おもしゃい」との言いまわしをしますが、今回の交流会は伊勢市の子と飯田市の子にとって、まさに「おもしゃかった」交流会になったようです。来年の夏は、飯田市の子どもが伊勢市へ訪問します。海の自然に触れながら、また新しい友情が育まれることと思います。

8.18.2008

世界で一つだけの勾玉(まがたま)づくり

 教育委員会文化財保護係・上郷考古博物館では、市民プール跡地に人形劇フェスタ期間中に設けられた特設会場に於いて、8月8日に「勾玉作り体験」を行いました。
 35℃を超える猛暑の中、約70名の親子が秩父より取り寄せた滑石(かっせき)に、まず自分で下絵を書きそれをサンドペーパーでこすり、世界で一つだけの勾玉を作りました。
 M小学校3年のまほちゃん、1年のゆなちゃん、T保育園年少のかずき君の3兄弟は、お母さんに見守られ黙々と石をこすります。
 爪でこすっても削れてくるほど柔らかい石のため、かずき君にも削ることができます。副産物の白い粉は子どもたちにとって魅力的なもの。指でつまむとサラサラと気持ちよく、「フー!」なんて吹くとワーっと舞い上がります。まほちゃんは自分からやろうと言い出しただけあって、さすがに集中して削っています。妹のゆなちゃんもいい感じで形になってきました。
 かずきくんは…ほっぺにおしろい(?)を付け、お母さんの手を借りながら楽しそうに作業をします。

 大人も子どもも同じように作れること、自分の思う形になることが、子どもたちが集中する要因のようです。
 指導にあたった学芸員も舌をまく見事なできばえの親子もいたようです。

 Z保育園のわかなちゃんとM保育園のゆめかちゃんは、ゆめかちゃんがZ保育園にいた頃からの友達。一緒に勾玉作りを楽しみました。「1時間くらいかかったかな?集中してできたね!」とお母さん方も満足そう。
 ステキな勾玉を手に4人で記念撮影!パチリ!!

 暑いけど笑顔がはじける会場でした。

『若い力・・・人形劇フェスタボランティア』

 人形劇フェスタを陰で支えてくれているのが、多くのボランティアの皆さんです。

 中央公民館でフェスタグッズの販売を担当していた風越高校国際教養科のR・Kさんは、インフォメーションや通訳の仕事をさせてもらえると、友達に誘われて登録したそうです。世界大会ということで、いろいろな国の人と話ができ“生きた学習”になったようです。
 うれしかった出会いは、“高松祭”で出会ったアメリカの大学生の姉妹に再会できたこと。「会う度に手を振り合いとってもうれしかった!」とRさんは忙しい中で話してくれました。こうしたふれあいが、かけがえのない思い出になったようです。

 中央公民館ホール入り口でアンケートを手渡すスタッフの西中学校Y・Tさんは、「人の役に立ちたいと思ってボランティアに申し込みました。」と。「みんなにアンケートを渡すのは大変だけど、アンケートに“楽しかった!”と書いてあるとうれしいです。」
 上演中も立ちっ放しで入り口付近に気を配り、少しでも観客の皆さんに楽しんでもらえるよう、劇人が演じやすいよう心を配っていました。

 裏方として働いてくれる、こうした若い力が『明日の飯田』を支えていってくれるのだと思います。

8.13.2008

いいだ人形劇フェスタ2008 『上久堅小3年生の上演』

 人形劇フェスタも終盤にさしかかった8月8日(金)、上久堅保育園で上久堅小学校3年生11名が、心を合わせて「金のがちょう」を演じると聞きお邪魔しました。
 舞台には、子どもたちが総合学習の中で製作した森やお城の背景が設置され、担任の松岡先生のキーボードに合わせ、歌の練習の真っ最中。11名とは思えない程張りのあるよく通る声が響く中、おじいさん、おばあさん、お兄さん、おねえさん、赤ちゃんを連れたお母さんと、観客も増えていきます。
 「保育園の人たちも楽しみに期待しているでな!」「家の人がおるかなーなんて捜しちゃだめだに!」と先生から激励(?)のことばをいただき、保育園のお友達が最前列に座り、いよいよ“はじまりはじまり~!!”

 一人一人が、会場によく響く声で堂々と人形を手に演じます。人形も全て子どもたちの手作り。衣装は参観日を利用してお母さんに作ってもらいました。ビーズ・レース・スパンコールといろいろな材料を使い工夫されています。
 村娘をやったNさんのお母さん「子どもが自分で書いたデザインの図を元にドレスを作りました。色は決まっていたので、少しでも可愛くできるようアクセサリーなんかで工夫しました。」
 Tさんの所は家族全員で観に来てくれました。「毎日大きな声を出して本読みはよくやってましたよ。」とおばあさん。そばで小学生のお兄ちゃんが聞いています。「やさしい兄ちゃで妹たちの言うことを聞いてやるんだに。」家族の温かい空気が伝わります。
 主役のハンスをやったH君のおばあさんは、「劇のセリフや内容は、ないしょ!ないしょ!って言ってなー。今日のお楽しみな。」と目を細めます。お母さんにとっては初めての衣装づくり。先生の助言をいただきながら、最後は大満足の仕上がりになったようです。

 子どもたちは、一人一人が役になりきりしっかり目線は観客に!お腹の底から出るセリフは練習の積み重ねにより自信に満ちています。
 劇中「みっともないに!!」と方言の混じるセリフには笑いがおこり、「みんなくっついちゃったよ!!」の山場では、保育園の子どもたちがセリフを繰り返します。自分たちのお兄さん、お姉さんが堂々と立派に見え、あこがれ、次は自分たちもと期待を持ったことでしょう。
 最後の歌では、会場から手拍子が起こり「大勢の人の前で演じる空気に、子どもたちもノリノリでした。」と松岡先生。一人一人が自己紹介をし、大拍手のうちに公演を終えました。

 「じょうずだったな~。さあさあ冷たいお茶を飲んで!」3年前は保育園の年長だった子どもたちの成長に畑中園長先生も胸がいっぱいの様子。「園長先生に観てもらえて良かったな。」「みんなの前でやると気持ちいい!」子どもたちもうれしそうです。
 「夏休み中の練習にもお弁当を作ったりと、お母さんたちもえらかったに!先生も大変だったと思うに…。」と、あるおばあさん。みんなに見守られ大勢の人の前で演じる醍醐味を味わった子どもたち。「上手だったに!」と近所の人に声をかけられたり、夕食の席で家族の会話の中心になる事で、より自信をつけ益々『上久堅』が好きになることと思います。