凍り豆腐、即席味噌汁、即席春雨スープ、そして納豆といえば・・・
2年生K君とNさんの2人が体験させていただいたのは、駄科にある「旭松食品㈱」です。
生徒たちの様子を見る前に、最初に工場長さんたちに5日間の体験メニューをお聞きしました。
初日、はるさめの異物混入検査。
2日目、袋工程。スープ等のカウント作業。
3日目、梱包用ダンボール作り。
4日目、ライン業務(スープ、はるさめの投入)
5日目、ライン業務(スープ、はるさめの投入)
お聞きしただけで、「異物を見落としてはいけない。」「数を間違えてはいけない。」「投入漏れがあってはいけない。」という緊張感ある仕事が与えられていることを感じます。
お話の後、工場内に案内していただきました。帽子にマスク、上下白衣、長靴と全身白づくめでエアーシャワーを通り、手をアルコール消毒・・・入念な除菌をしての入室で、更に緊張感が高まります。
中に入ると、従業員の皆さん全員が同じ格好をしていました。中学生がどこにいるのかわかりませんでしたが、案内されてたどり着いてみると「はるさめスープ」のラインのところで周りの従業員の皆さんの中に完全に溶け込んで作業をしていました。
2人が行なっていたのは、
「ラインの流れに遅れないようにカップをセットする作業。」
「製品が梱包されたダンボールを、次から次へと積み重ねていく作業。」
どちらも根気と体力が必要な仕事です。流れを止めるわけにいかないため、とても会話を交わしている余裕はなさそうです。2人は、「これをここに積んで!」「次はこれやって!」と要所要所に飛ぶ従業員の方からの指示に素早く反応し、テキパキと働いていました。
そして、とうとう5日間の終わりの時間がやって来ました。別室に移動し、最後の反省会です。
今回2人は、体験先の希望は業種を言っただけで、旭松さんを直接希望したわけではないとのことでした。そこで、
「2人は旭松食品さんを知っていましたか?」と聞くと、間髪入れずに
「もちろんですっ!!!」と大きな声で返事が・・・
愚問を発してしまい、「失礼しました。」という感じです。
続いて5日間の感想を聞くと、
K君 「大変だったけど、いろんな仕事が出来て退屈しませんでした。工場に来てみたら外国の人が大勢いて驚きました。3日目くらいが一番苦しかったけど、いろいろ話をしているうちに周りの人たちとお友達になれてうれしかったです。」
Nさん 「最初はミスしたらどうしようという不安があったけど、頑張ろうって自分に言い聞かせていました。私は、コミュニケーションを取ることが苦手で、まして外国の方が大勢いたので戸惑いましたが、みんな日本語が上手でとてもフレンドリーでよかったです。3日目が終わって帰ると足がパンパンになってたので、お風呂でマッサージをしました。」
2人とも一言一言がはっきりしていて、とてもコミュニケーションが苦手な生徒には見えません。
そして、これからのことについては、
K君 「一つ一つの製品にたくさんの人の手が関わっていることがわかりました。これからは、食べ物を残したり、忘れ物をしたりしないように心掛けたいです。」
Nさん 「私は面倒くさがりなので、今回の体験を通じていろいろなことに積極的にがんばりたいと思うようになりました。」
こんな決意表明で締めくくりとなりました。
2人とも5日間の体験を終え、身体はほとほと疲れきっているはずです。なのに、従業員の皆さんへの最後のあいさつや会社を出て行くときは、満面の笑顔で目が輝いていました。
連続5日間という職場体験学習は、生徒たちにとって全く経験したことのない事を全く知らない人たちに囲まれて長い期間行なうわけですから、疲れて当たり前。肉体的にも精神的にもとても過酷なはずです。
それでも最後に笑顔や目の輝きが生まれるのは、感動や達成感を味わったからでしょう。その感動や達成感は、恐らく本物の体験をしなければ生まれるものではないと思います。
シリーズでお伝えしてきました『西中チャレンジウィーク』は、今回で終了となります。
ほんの短い時間でしたが、何人もの生徒さんたちの様子を取材させていただく中で感じたこと。それは、「本物の体験」「リアルな体験」が、子どもたちを確実に成長させてくれるということでした。
0 件のコメント:
コメントを投稿