8月のアフィニス音楽祭の参加音楽家に付けてもらおうと、鼎小学校5年生が水引のブローチと箸置き作りに挑戦しました。
飯田水引組合青年部を中心とした10名の職人さんが、1グループに1人ずつついてくださり、基本となる『淡路結び』からスタートです。1人1人に渡された色とりどりの水引から「やっぱ緑でしょ!」と呟きながら自分の好きな色を引き出します。小学生・中学生・高校生まで指導されることがあるという職人さん方。教え方も個性的で工夫されていました。
――― 淡路結びの作り方(こんな教え方をされてました。) ―――
「まず真ん中を決めて3本を持ってください。両手で持って、右を上にして月を作ります。右を上にして右手で持つ。左手で親指と親指が行き会います。ロケットをシューッと発射!機械の故障で不時着!不時着した所を持つ。障害物をジャンプして下から入ってぬっていく…。」
子供たちが、楽しく印象強く『淡路結びの作り方』を覚えられるよう工夫された言葉がけです。
「これ知ってる作り方!なつかしいー。」
「あわじ忘れちゃった!!」
4年生の時、水引の体験や見学をしたことがあるという5年生。
「あー失敗した。この辺ブヨブヨだ!」
「これさー、黄色が真ん中にいかん!」
と四苦八苦しながら、徐々に引っ張り加減やコツを覚え、1つできると次を黙々と作り出します。
「演奏家の方が付けてくれるので、心を込めて作ってネー」と職人さん。
始め糸状だった水引から個性的な色合いの花ができあがっていきます。指先を見つめ、集中し、そこに一人一人の思いが伝えられていきます。
「日本中の水引の70%は、飯田で作ってるって社会で勉強したよ!!」
と自慢げに話す男の子。地元の大切な産業である水引の学習が、継続的に行われていることがわかります。
職人さんが、淡路結びをまとめていく手元を見て、
「すげー!」
とどよめきが・・・。そして自分で作った作品が完成すると、
「先生!これできた!!」
と、まずは担任の先生に報告です。
「いいねー。器用だなー。喜んで付けてくれるに!!」と先生から褒めてもらい、意気揚々と次を作り始めます。
「きれいな花になって良かった!」と友達同士見せ合ったり、「最初変になったけど、水引の先生が教えてくれたからできるようになった!!」と、うれしそうにそれぞれの胸に付け合います。
「余った材料は、家に持っていって家の人に作ってあげてください。」と言われ、いくつも箸置きを作っていた男の子は「家族の全員分作るんだ!!」と元気に叫んでました。
「小学生が、ゲーム以外でもこうやって2時間位集中して作れる。手仕事の力はまだまだ捨てたもんじゃないな!!」と職人さん。
家に帰って、お家の人は何と言ってくれるのでしょう。5年生の子供たちが“先生”になり、家族で水引細工体験ができたら楽しい会話が広がることでしょうね。
「お父ちゃ違うに。ここはこうやるんな!」なんて自信満々で家族に教える子供たちの姿を想像すると、うれしくなります。
子供たちのために時間を作って指導してくださった職人のみなさん、本当にありがとうございました。
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