8.22.2008

親子で行く。地元産業見学ツアー

 8月7日(金)。今年一番の暑さという予報の中、飯田市と飯田商工会議所さんの主催で行なわれた「親子で行く。地元産業見学ツアー2008」
 昨年に引き続き2回目の開催です。参加者は、親子12組 31人。小学校6年生を対象に募集をしましたが、兄弟の参加もあってにぎやかになりました。
 地場産業振興センターに集合して、大型の信南バスで移動です。

 最初の見学先は、飯田市地方卸市場の中にある「飯田青果」さん。
 あちこちに野菜や果物がたくさん置かれていて、フォークリフトも走り回っています。なんとなく慌しい雰囲気の奥の方で「せり市」が行なわれていました。
 近寄ってみると、
 「エーコレ、にがうりー」「エーコレ、モロヘイヤー」などというせり人の声。
 「〇×△□※」「※□△×〇」
 周りの買い手の皆さんはきっと金額を言っているんでしょうけど、何を言っているのかさっぱりわかりません。子どもたちの頭の中も「?マーク」といった感じ。後から説明をお聞きすると、「専門用語だから一般の人にはわからないでしょう。手で数字を示す「手やり」と呼ばれる合図もあるんです。」とのこと。また、青果物の市場流通の流れについても教えていただき、野菜や果物がどうやって家庭まで届くのか勉強させていただきました。

 続く見学先は、「多摩川精機㈱」さんです。
 多摩川精機さんといえば、航空・宇宙・防衛関連をはじめ、工場設備関連、輸送機関連、遊戯機器関連など、いろいろな分野の部品製造をしている会社です。
 その中で、今回見学させていただいたのは松尾毛賀にある第二事業所。ここでは主に産業ロボット用(FA)部品、ハイブリッド自動車用部品などを製造しています。
 特に、トヨタのハイブリッド車「プリウス」に搭載されている速度・角度検出用センサ「シングルシン」は、100%ここで作られているそうです。
 工場に入ってみると、機械のラインがいくつもありましたが、予想以上に従業員の皆さんの人数が多かったのが印象的です。多くの人の目、人の手に直接触れて製品が作られていることがわかりました。  工場見学後、元の会議室に戻ると、
 「なぜ、東京から飯田にきて創業されたのですか?」
 「なぜ、ハイブリッド車の部品を手がけることになったんですか?」
 「他社のコンテナが沢山ありましたが、この中に他の会社が入っているんですか?」
 など、会社の歴史から現在のことまで次々と質問が飛び交い、少々タイムオーバーです。

 さて3番目の見学先は、「シチズン平和時計㈱」さん。
 会社紹介では、新キャラクター「えこっち」の登場です。
 東京で創業していたシチズン時計が、第二次世界大戦を機に飯田に疎開。数年後に平和で豊かな飯田にしたいという願いから「平和時計製作所」が誕生したという歴史のお話から始まり、地球環境に優しい製品「エコドライブ」の製作、また、省エネ・省資源・省スペースの取組みなど、子どもたちにもわかりやすいように漫画チックにお話していただきました。
 工場見学では、1個数十万円もする高級腕時計を手作業で組み立てている「マイスター」の皆さんの仕事ぶりを拝見することができました。会社のあちこちには、マイスターさんたちの作品でしょうか。高級腕時計がいくつも展示されており、大人も子どもも釘付けです。
 また、腕時計の革ベルトに使われている「ワニ」の革がいくつも登場。これはワニのおなかの部分の皮革で、本来の色は白ですが、このように青や茶色に染めて使用するとのことでした。
 時刻は既に12時半。みんなのおなかがすいたところで、昼食会場へと移動です。

 昼食&水引体験会場となったのは「山都飯田」さんです。
 少々時間が押し気味でしたが、子どもたちはモリモリとたくさん食べておなかは満足。食後のデザートにソフトクリームをほおばる家族もいました。
 そしていよいよ、みんなお待ちかねの「水引体験」です。
 机の上には、水引でできた見本の梅の花。それを見ながら、枝、葉、花を形にしていきます。枝の太さも、葉の形も、それぞれ自分の好きなようにできます。
 「わからん。どうやってやるの?もう一度教えて!」と苦戦する様子も。
 花の大きさに見合わないほど太い枝にしてしまった男の子や、星のような形をした葉っぱを作った女の子。それぞれお父さん、お母さんの助けを借りながら、思い思いの梅の花が出来上がりました。
 体験終了後、売店でそれぞれお土産を購入して、いよいよ最後の見学先へと移動です。

 今回のツアー最後の見学先は、「味噌・漬物蔵元 稲垣来三郎匠」さんです。
 到着して、まず最初に案内していただいたのは味噌蔵です。人の身長の倍もある高さの大きな樽がいくつも置かれていました。少々鼻を突くような味噌の香りの中、お店の方から
 「みんな!味噌は何から作られているか知ってますか?」との問いに、
 「ダイズ~!!」と声を揃えて答えが返ってきます。そして、
 「これが、味噌が熟成する前の状態のものです。色がまだ白いですね。食べたことあるかな~。みんなで試食してみてくださ~い!」と、白い粉の入ったビンをみんなに回していただきました。
 「しょっぱ~い!」「まずっ・・・」
 決して美味しいといえるものではありませんでしたが、これがあのコクのある美味しい味噌に変身するなんて、とても不思議な感じでした。
 味噌蔵見学後は、売店に移動して試食タイムです。
 こちらのお店自慢の味噌で作ったお味噌汁や甘酒の試飲から始まり、ごぼう、にんじん、かぶ菜、しま瓜などいろいろな野菜を漬けた漬物が食べ放題!?
 「お母さん。このごぼううまい!買ってよ!」とせがむ姿も。
 また、トマトやたまねぎ、かぼちゃなどの野菜でできたジャムも注目を集めていました。

 朝9:00からスタートしたこのツアー。今日1日で5箇所も見学したのに、子どもたちはまだまだ元気いっぱいといった感じでしたが、楽しいひと時はあっという間に過ぎてしまいますね。
 普段、なかなか見ることが出来ない会社の中、裏側など、本当にいろいろ勉強になったことでしょう。是非今日の参加者の中から、将来の地元産業の担い手が生まれてほしいものです。

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