8.20.2008

『おもしゃかった!―また来てな! ~伊勢市との小学生交流会~』

 8月3日(日)~4日(月)にかけて、飯田市と伊勢市の小学生の交流会が開催されました。伊勢市との交流会は、今年で31回目になります。今年は、飯田市から上久堅小学校、千代小学校、千栄小学校、龍江小学校、川路小学校、三穂小学校の6校から28名、伊勢市からは、12校35名、いずれも6年生が参加し、各学校の先生が引率されました。
 去年までは飯田市の小学生が伊勢市へ磯遊びに行っていましたが、今年は初めて伊勢市の小学生を飯田へ迎えました。

 まずは、楽しみにしていた天竜川のラフティング体験です。ここのところの猛暑と雨不足で天竜川の水位は下がっていました。今日も太陽の熱さがジリジリと肌に焼きつくような夏真っ盛りの晴天です。ライフジャケットとヘルメットを身に付けた子どもたちは、初めての体験に、楽しみ半分、緊張半分の表情です。インストラクターから、川の流れは穏やかに見えても意外に早いこと、川に落ちてしまったら、石に足を挟まれることがあるから決して立たないこと、など自然の厳しさを説明され、少々不安げな子どもたちです。
 でもいざラフティングが始まると、最初の不安はどこへやら、約1時間の川くだりのあいだ、水をかぶってずぶぬれになったり、飯田の子も伊勢の子もみんなで呼吸を合わせてボートを漕漕いで、「キャー」「おもしろい!」と楽しそうに大声をあげていました。歓迎式では緊張していた両市の子どもたちでしたが、もうすっかり馴染んでいます。ボートに同乗した引率の先生達も、童心に戻ったように、子どもたちと一緒にはしゃいでいました。
 
 夜は市内のホテルで、飯田市の子も伊勢市の子と一緒に宿泊しました。広間で夕食を食べた後は、人形劇フェスティバルに合わせ、人形劇の上演が行われました。自分達でお膳を片付け、テーブルを動かして、会場づくりです。
 上演してくれたのは「だるま森」さんです。音楽と人形劇を融合させたパフォーマンスで子どもたちの笑いを誘い、時には目を丸くさせて(?)楽しい時間を過ごしました。
 今年の人形劇フェスティバルは、10周年記念で開催期間が長いため、人形劇を見て、「後日、人形劇フェスティバルに来ます!」と話す伊勢市の先生もいました。
 宿泊部屋は、飯田市と伊勢市の子どもが一緒でした。仲良くなって、住所や電話番号を交換した子どもたちもいたようです。当初は方言やイントネーションの違いに戸惑っていたようですが、翌日の朝には、もうすっかり地元の言葉で話をし、仲良くなっていました。
 
 2日目は、伊賀良公民館で児童会活動発表会を行いました。まずは飯田市を代表し、龍江小学校です。続いて伊勢市を代表して四郷小学校が発表を行いました。自分の学校の特色や活動を、写真や動画を使って分かりやすく説明してくれました。みんなこの日のために練習を重ねてきた様子で、はきはきと説明し、自分の学校に誇りをもっているようでした。
 発表後は、レクレーションの時間です。指導してくれたのは飯田市の体育指導委員の宮下さんです。相手の出したじゃんけんを見て、勝ったり負けたりする「後出しじゃんけん」で「わ~!間違えた!」、足を踏み合ってポーズをとる「足タッチV字バランス」で「キャー」と大はしゃぎです。飯田の子も伊勢の子も一緒になって、みんなで汗をかいて体育館を裸足で飛び回り、体育館の暑さを忘れるほどの盛りあがりでした。

 体を動かした後は、飯田の特産である水引の体験です。体験をさせてもらったのはせきじま水引さんです。飯田市の水引生産量は、全国シェアの約8割を占めています。まず、水引とはどんなものか、どんなことに使われているか、などの説明を受けました。その後、ピンクや白、水色などの色とりどりの体験用の水引をもらい、今回は淡路結びの結び方を教えてもらいました。工芸館の職員から、大きな見本の水引を手に「ここへ紐を通したら、ここから出して・・・」と説明を受けますが、「もう1回やって!」「難しい!」と次々に手が挙がります。子どもたちは、水引細工の大変さを学んだようです。出来上がった水引は、一生懸命作ったかいあって、みんな素敵な出来栄えです。特に伊勢市の子どもたちは、初めて水引を手にする子ども達がほとんどで、とても感激していました。

 昼食のそばを食べて腹ごしらえをしたあと、歓送式を行いました。まだまだ交流をしたい気持ちでいっぱいでしたが、伊勢の皆さんが乗ったバスを全員で見送りました。伊勢市の子は「ありがとね!」「今度は伊勢にも来てね!」とバスの窓越しに身を乗り出して笑顔で手をふり、飯田市の子は「連絡してな!」「また来てな!」と手を振り合っていました。

 山にはぐくまれた飯田市の子どもと、海に恵まれた伊勢市の子どもの交流会は、楽しいうちにあっと言う間に終わってしまいました。両市の子どもたちは、方言の違いや地域文化の違いを新鮮に感じていたようです。伊勢市のこども達は、ラフティング体験で山川の自然に触れたり、飯田の文化の水引体験をとても楽しんでくれました。伊勢の方言で「おもしろい」を「おもしゃい」との言いまわしをしますが、今回の交流会は伊勢市の子と飯田市の子にとって、まさに「おもしゃかった」交流会になったようです。来年の夏は、飯田市の子どもが伊勢市へ訪問します。海の自然に触れながら、また新しい友情が育まれることと思います。

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