なっとう好き親子8組19人が集まった10月18日の松尾公民館。
旭松食品㈱、飯田市、飯田市教育委員会共催のスーパーサイエンス推進事業「なっとうの“ネバネバ”のなぞを探ろう!」が開催されました。
まず最初に旭松食品㈱の会社概要のお話からです。
凍り豆腐、即席みそ汁、即席スープ、そして納豆。あまりに有名なので既にみんな知っています。スーパーなどの店頭でも良く目にし、毎日のように食卓に上る製品を作り出している会社が、私たちの地元にあることを再認識しました。
会社概要が終わると、さっそく納豆作りの準備です。
今回使用する大豆は飯田市山本産の「ツブホマレ」。大粒の大豆です。一晩水に浸した大豆をザルに入れ、それを少しだけ水の入った圧力鍋の中に入れます。
「水は、鍋の底から1センチくらい入れてください。」
講師の先生の説明に、
「ものさしがないよ・・・」
という男の子。
「ものさしはいらないよ。」と、どっと笑いがおこりました。
鍋のふたをしてコンロに乗せ点火。あとは1時間半ほどかけて大豆が蒸し上がるのを待ちます。
それを待っている間、「なっとうができるまで」を学ぶ勉強会の開催です。
まず始めに、原料の大豆が【 洗浄 → 浸漬 → 蒸煮 → 菌接種 → 盛込み → 発酵 → 後熟 】という工程を経て納豆になっていく説明を聞きました。
「大豆に付着した納豆菌が増殖し、たんぱく質を分解してうまみと粘りが生まれること。」
「納豆菌を増殖させすぎるとにおいがきつくなるため、ちょうど良いところで冷やして菌の活動を止め、菌の酵素で熟成させること。」
など、「なっとうができるまで」の過程がよくわかります。
「では、なっとうの糸ってどのくらい伸びるか知ってるかな?」という講師の先生の問いかけに参加者の皆さんは首をひねります。2人の講師が箸を持って納豆の糸をゆっくり伸ばしていくと、実習室の隅から隅までだいたい5mくらいでしょうか。目に見えないくらいの細い糸がまだつながっているのを確認すると、大きな歓声があがりました。
そして、今日の勉強会の重要なポイントである「納豆菌」。
「皆さん、納豆菌てどこにいるか知っていますか?」との問いに、何人かの保護者の方が小声で「わら・・・かな・・・」と答えました。
「そうですね。わらの中にいるんですね。だから昔ながらの納豆は、わらに包まれているんですね。でも、わらには納豆菌だけではなくてたくさんのほかの菌も潜んでいます。では、納豆菌だけを取り出すにはどうしたらよいでしょう。」
またまた先生から質問が飛び出しました。これはさすがに皆さんわからない様子。
「それは、納豆菌が熱に強い菌だから、熱を加えてあげればいいんです。熱を加えれば、ほかの菌は死んでしまいますからね。」
全員がなるほどと頷きながらメモを取ります。次に、実際に納豆菌を見せてもらうことになりました。1個や2個の菌では肉眼で到底見えませんが、約10億個にも増殖したものであれば目に見えるようになります。シャーレに入った納豆菌のかたまりを楊枝でつついてみると、なっとうと同じように糸を引きました。
「納豆菌の種類はたくさんあります。まだ発見されていない、とてもすばらしい菌もきっとあると思います。そんな“スーパー納豆菌”を毎日探すのが僕たちの仕事なんです!」
誇らしげに語っていただいた講師のお話に、子どもたちの目がとても輝いていました。
続いては、“利きなっとうクイズ”のコーナーです。
大粒納豆、中粒納豆、小粒納豆、ひき割り納豆 の4種類の納豆を食べて当てるというクイズですが、実は解答用紙に「北海道産(大粒)、長野県産(中粒)、アメリカ産(小粒)・・・」と書いてあったため、粒の大きさを見比べればだいたいわかってしまいました。したがって“全員正解!!”で、賞品の即席みそ汁をGETです。すると、賞品の中を覗いた1人の女の子が、
「な~んだ。納豆じゃないんだ・・・」
ごめんなさい (;・д・A
でもとっても納豆が好きなんですね (*´▽`)
次は、ちょっと変わったなっとう?の試食コーナー。
「たぶん二度と食べることのないものですから、よく味わってくださいね!」
と言われながら1人1人に4つずつ配られた納豆パック。それを恐る恐る開けてみると、
緑色の粒は「枝豆」
薄い黄色のクリーム状のものは「チーズ」
黄色の粒は「コーン」
小豆色の粒は、まさに「小豆」
皆さん何とも微妙なリアクションです。ところが食べてびっくり。特に枝豆は、製品としてもいけるんではないかというほど!?美味しいものでした。
そうこうしているうちに、大豆が蒸し上がったようです。
大豆に雑菌が入らないよう、入念な手洗いなど細心の注意を払いながら作業を進めていきます。
まずは、滅菌したボールに大豆を必要な分だけ量りながら移していきます。そして、大豆の熱が冷めないうちに“納豆菌”の投入!同じく滅菌したスプーンですばやくかき混ぜ、今度はパックに50gずつ盛込みます。重さを慎重に量りながら少しずつ乗せていき、50gに達すると薄いビニールのシートをかぶせ、蓋をセロハンテープで止めて、最後に自分の名前を書いて出来上がりです。
今回使用した納豆菌は、最近店頭でもよく目にするようになった「おなか納豆」の菌でした。これで、“飯田産ツブホマレのおなか納豆”という世に出ていない「スペシャルなっとう」の完成です。
このなっとうは、2日間旭松さんで発酵・熟成をするために保管していただきます。そして、晴れて「なっとう」になったら、参加者の自宅に送っていただけることになっています。
ただ、100%ちゃんとした粘りのある納豆になる保証はないとのこと・・・。
皆さんの作った納豆がどんな様子だったか、あとで我々スタッフに教えてくれることになっています。
その結果をお聞きするのがとても楽しみです!
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