10.23.2008

「もったいない」から生まれた職人技 ~『まちかど博物館 裂き織り講座』~

 10月5日に『親子で体験裂き織り講座』が開催されました。これは『まちかど博物館』事業の職人講座で、飯田で伝統の技を受け継ぐ職人さんに、親子(小学校高学年)を対象に職人さんの技術を体験させてもらい、飯田の良さを再発見してもらったり親子の触れ合いを大切にしたいとの思いで始まり、今年で3年目になります。

 今回は、講師にこの道30年の裂き織りの達人 田中百合子さんを迎え、親子でオリジナルのランチョンマット作りに挑戦です。初回は全員が田中さんに「裂き織り」についてのお話を聞き、1組ずつ日程を変えて裂き織りの体験をさせていただきます。
 『裂き織り』とは、古くなった布を細く裂いて糸にして織り込んだ平織りのことです。江戸時代、貧しかった庶民が始めたと云われています。
 体験の場所は、講師である田中百合子さんの自宅です。「まちかど博物館」の看板の掲げてある玄関を入りお部屋におじゃますると、テーブル掛けやマットなど裂き織りで作った田中さんの作品が至るところに見られます。床の間や壁には季節の花や掛け軸が飾ってあり、お部屋を拝見するだけでも田中さんが季節感を意識したり、手作りやモノを大切にする生活を送られているのが伝わってきます。さすが職人さんです。
 バックやこたつ掛け、さらには背広の作品もあり、「ワーすごい!」「裂き織りでここまで出来るんですか?」「ステキな生活ですね~」とお母さん達も絶賛です。
「布だけじゃなくて、とうもろこしの皮や竹でも作れますよ。いろいろ試してみてくださいね。」と田中さん。

 田中さんのお話が終わった後は、体験で使う古布選びです。
 世界に一つだけの自分の作品を作るとあって、子どもたちもお母さんも自分が気に入るまでじっくり選んでいます。
 「5ミリ位の幅に裂いてみてください。縦に裂くと簡単に裂けますよ」と田中さん。
 「あれ?ちょっと堅いな。」「縦と横が違うみたいよ。」お母さんたちが子ども達に「上手に裂けるね、ちょっと教えて。」こんな会話をしながらだんだんコツを覚え、最初はたどたどしかった布を裂く音が「ピーッ!」と気持ちのよい音に変わってきました。布がこんなに簡単に裂けるとは驚きです。

 布が裂けたら、さっそくトップバッターの体験者Mさん親子が裂き織り体験です。
 織り機が1台のため、まずはお子さんからです。「よこ糸を通したら、右足を踏んで・・・」田中さんの指導にAちゃんはすぐにコツを覚えて、両手と両足を上手に使って織っていきます。「そうそう!その調子よ!」田中さんが応えます。
 途中で使っていた布が終わってしまい、同じような模様の布を使いましたが、微妙な色の違いが味があってとてもステキです。
 約1時半ほどで作品が完成しました。「上手だね~。綺麗に仕上がっているよ。」お母さんや田中さんの言葉に、Aちゃんは大満足の笑顔です。

 続いてお母さんがチャレンジです。お母さんが織っている隣でAちゃんが心配そうに覗き込んでいます。時々何かお母さんに話しては、アドバイスしているようです。2人とも時折顔を見合わせてはにっこり。親子の時間が流れます。

 お母さんとお子さんの世界に一つだけのランチョンマットが出来上がりました。田中さんも、2人の出来栄えに大満足の様子でした。
 講座の様子について、参加されたお子さんの小学校へ写真などを展示する予定です。
着古した着物を上手に使いまわし「使えなくなる」まで使っていた昔の人の生活を考えると、現代の使い捨ての生活が本当の豊かさではない、と感じてしまいます。

 職人講座では、今年度、座布団や提灯作り体験を予定しています。飯田で伝統の職人技を守り、子ども達へ伝えていただける職人さんを今後も募集していますので、情報をお寄せください。

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