12.21.2007

子どもの社会力を育むために ~今、地域と家庭でできること~

~筑波学院大学学長
      門脇厚司氏講演会を開催しました~

「子どもの社会力」(1999・岩波新書)という本をご存知ですか?

 さる11月14日(水)夜、竜丘公民館大ホールにて、竜丘公民館文化委員会と生涯学習・スポーツ課の主催で、この本の著者門脇厚司氏の講演会が開かれました。
 「社会力」という言葉は、門脇氏の造語で、「人が人とつながり、社会を作る力」「そして、より良い社会を作ろうとする意欲、構想力、実行力」を意味します。
 講演で門脇氏は、昨今の子ども達は幼い頃からのメディア漬け生活や他者との関わりの不足が原因で、社会力が低下してしまっている、他人に関心を持てず、他の人のことがわからない人間が多くなっている、と指摘しました。そして、社会力を養うには、何よりも地域の子ども達を多くの大人たちとの関わりの中で育てていくこと、具体的には、学校教育や地域行事に地域の大人たちがどんどん関わることだと大変熱く語りました。また、本来人間の赤ちゃんは、大人と触れ合うための驚異的なコミュニケーション能力を具えて生まれてきており、この能力をフルに稼動させ、多様な他者と交わることこそ、社会力の強化となり、学ぶ意欲の増大になり、ひいては学力の向上にもなるのだ、とも。
 参加者は皆、門脇氏の力強さに引き込まれるように話に耳を傾けていました。
 
 門脇氏も講演の中で指摘されましたが、「社会力」は飯田市の「地育力」とも深く通ずる考え方です。地域の大人みんなが子ども達のことを気にかけ、関わっていくことが子ども達にとっても最高の教育となり、大人との心地よい関わりは、子ども達が故郷に愛着を感じる源となります。近くにいる子ども達をあらためてしっかり見つめ、交わっていきたいものです。

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