1.08.2008

風越山を守れ!【Ⅰ】

 飯田のシンボル、風越山。この山に危機が訪れようとしていることを、皆さん知っていますか?

 風越山の麓にある飯田西中学校3年生86人。彼らは19年度の総合的な学習の授業で、身近なこの山と向き合い、考え、そして行動しました。「風越山を守れ」と名付けられたその一大プロジェクトの様子を、2回に分けてご紹介します。

 始まりは、まずテーマの設定から。3学年では地域に貢献したいという願いから「ボランティア」に取り組もうと考えました。具体的なアイデアとして「環境」に関わることを実践したい、という声が多くあがったそうです。
 環境と言えば一番身近な自然環境は、目の前にある風越山。そういえばここ数年、風越山と言えば、土砂崩れや、熊の出没など、あまり良くないニュースを耳にします。今風越山には一体何が起こっているのか知りたい-そんな思いから、まず、地元公民館の紹介で、お二人の専門家にお話を聞くことになりました。

 一人は、「風越山を愛する会」の寺岡義治さん。寺岡さんは、古くから風越山と人々のくらしには、密接な関係があったこと、林業の興隆による大規模な木材の伐採から山の保水力が弱くなり、あちこちで、山の崩れが進んでいること、また、風越山に降った雨が飯田市に飲料水を供給してくれていること等を教えてくださいました。

 もう一人の先生は、地方事務所林務課の高橋太郎さん。高橋さんからは、自然豊かに見える風越山の林の65%が実は人の手によって植林された人工林であること、また、山の手入れ不足は、土砂崩れだけではなく、野生動物による食害や地球温暖化にまで影響を与えることを教えてもらいました。

 これらの話を受けて、7月には実際に風越山に登り、林の様子を観察しました。この登山で生徒たちは、天然林と人工林の違いをはっきりと認識することができました。天然林は実に多様性に富んでいます。太い木、細い木、灌木。明るい地面には下草も生い茂っています。それに比べ人工林の地面には下草がほとんどありません。ヒノキのひょろひょろとした細い木が密集し、何より林の中が薄暗いのです。風越山の林はやはり十分に手入れがされていないのでは・・多くの生徒が不安を抱いて下山しました。

 さて、9月3日~7日の1週間は、西中が全校挙げて取り組む「チャレンジウィーク」です。1年生は農業体験に、2年生は5日間連続の職場体験に出かけます。風越山の登山を経て、3年生はこの1週間に一体何をすることに決めたのか、その様子は、次回、ご報告します。お楽しみに。(次回へ続く)

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