今回の達人は、諏訪町にある『金山ふとん店』さんの金山社長さんと、妹の松沢登喜子さんです。
「寝る事は生活の一部です。布団は、自分が明日元気になるための道具なんです。綿も産地によって手触りが全然違うんですよ。」
と見せていただいたのは、テキサス綿、天津(テンシン)綿、メキシコ綿etc・・・
子どもたちは綿を触って感触を確かめます。弾力のあるもの、ふわふわしたもの、ちょっと色が濃いもの。一般的に売られている化学繊維から出来た綿とは全く違う、思わずほおずりしたくなるような気持ち良さです。
綿打ち(布団などの中の綿を細かく繊維にして再生すること)は、今は機械作業だけれど、手作業だったときの昔の道具も見せてくれました。
お話のあと、松沢さんが、座布団を実際に作って見せてくれました。松沢さんはあっという間に手早く作り上げましたが、見ていた親子の顔には何となく「難しそう・・・」の文字が・・・
ふかふかの触り心地の幻の綿「天津綿」を使って、松澤さんと金山さんが丁寧に教えてくれました。難しいところはお母さんに手伝ってもらいながら、子ども達が作りあげていきます。
まずは綿を手で切る作業ですが、松沢さんが「手だけを使うんじゃなくて、足も踏ん張ってみて」と子どもたちに声をかけます。慣れない姿勢に(女の子たちなので・・・)ちょっと恥ずかしそうでしたが、作っているうちに夢中になってきたようです。
「少しくらい形が崩れても、綿はまた直せるから大丈夫。」
と松沢さん。だんだん四角く、座布団の形らしくなってきました。あらかじめお母さんたちが縫ってきてくれた布に綿を入れて、いよいよ完成間近です。
出来上がった座布団は、「クッションみたい」と子どもが言うくらい、ふかふかです。「おばあちゃんに作ってあげたい」と話している子もいました。出来上がったばかりのマイ座布団に座り、みんなで記念撮影です。
次回は3月下旬に提灯(ちょうちん)づくり講座を予定しています。
伝統の職人技を次世代を担う子ども達へ残していき、親子で飯田の良さを再発見してもらいたい、と始まった『まちかど博物館』事業も今年度3年目となり、4月初旬には、飯田美術博物館の市民ギャラリーに、職人さんの技や作品、親子講座の様子などを紹介する展示をする予定です。
手仕事の達人たちの魅力を、ぜひ親子で観に来てください。
2 件のコメント:
昨年金山さんの講座で綿についてのお話を聞いたり、座ぶとんを作らせていただいてから、いつも自分が寝ている布団というものがなにか今までとは違う大切なものに思えてきました。いつか自分の娘が嫁ぐとき、職人さんに手作りしていただいた、良質なお布団を持たせてやりたいなあ、そして、この日本の文化を代々大事にしていってほしいなあ、とそれ以来思うようになりました。良い機会をいただいたことに感謝しています。
匿名さん
コメントありがとうございました。
今年度は、「裂き織り」「座布団作り」「ちょうちん作り」の親子体験講座を開催しました。職人さん、受講者さんと共に、ゆったりとした贅沢な時間を過ごさせていただきました。
昔ながらの伝統文化にこだわりを持ち、それを生業として暮らしていくことは難しい時代ですが、小さな頃から本物に触れ、いろいろな価値観や生き方に気付くことはとても貴重なことだと思います。
今回の講座を通して、受講者さんはもとより職人さんご自身が子どもたちからパワーをもらい、ご自身の仕事の大切さをみつめなおしていただけたようで、職人さんたちはとても喜んでいらっしゃいました。
会場、製作時間等の関係で、受講していただける人数が限られてしまいますが、21年度も一人でも多くの方に受講していただけるよう企画していきたいと思います。
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